期待と不安のキング原作映画『1922』を観たら

「スティーブン・キング原作」とあるとどうも気になってしまいます。偏見のような気もしますが、面白いのもあるけどへっぽこもそこそこあるキング原作、みたいな印象。記憶力が弱いので「どれが」と例を挙げられないのですが。
でもそのへっぽこもあるとこが好き。

キングの小説って淡々と小石を積み上げて山にしていくようなのが多い気がするんですが、映像化で失敗してるのは積み上げないで小石をばら撒いちゃってるようなの。
小石のひとつひとつは意味ありげだったり、小石なりのインパクトがあるので何となく形になっちゃうけど、へっぽこは山にならないから観終わって「何これ?」だったり連続ドラマだと途中で観るのやめちゃう(そこから面白くなるのかもしれないんですが)。

で、この『1922』はどうだったかっていうと、面白かったです(Netflixで鑑賞)。
なんかホラーというより日本の怪談みたいな作りでしたね。
ひとつの出来事からどんどん物事が悪化していく感じが。
オカルト的な描写はほとんどなくて(ちょっとはある)、主人公は心理的に追い詰められていきます。もう嫌なことしか起こりませんこの家。ネズミがちゅうちゅう走りまわります。

作りは日本の怪談を思わせますが、アメリカンな歴史社会派映画でもありました。
タイトルの1922というのは西暦1922年のことで、この年に起点となる事件が起こるのですが、農家の土地を売って町で暮らしたい妻と、そのまま農家を続けたい夫との確執が事件の発端でした。きっとアメリカで都市化が進んでいた時期なのでしょう。主人公の農夫は最後は街に出て工場で働いたりしてました。日本では大正から昭和初期の頃です。

私は日本人でいることに何の不満もありませんが、キングの小説を読むときだけはアメリカ人だったらもっと面白く読めるんだろうな、と思ってしまいます。

またキング原作探して観よっと。

blinkjitu
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