日々棒組み842 二度と帰らない日々

ああついに。
やって来たこの日。
緊急事態解除の日。

私が勤めている会社でも、「とりあえずリモートワークとか今週いっぱいな」宣言。
会社でリモートワークしてるの俺だけなので、事実上、俺ピンポイント。俺だけに向かっての「お前来週から普通に会社来いよ令」の発令。

なんだろうこの気分。
待てよ。
前にもこんな気分になったことがあるぞ。
そうだ。
あれは、十三年前に失業して、しばらくして再就職先が決まった時のいろいろ入り混じったあの気分だ。
安堵と、そしてなんらかの、なんとも言い難い喪失感。

そして今回。
妻のパートもずっと休み。娘の高校もずっと休み(分厚い封筒で課題が届けられてたけど)。
どうなっちゃうの私たち。
パートの収入は激減。高三にはなったけど全く学校に行けず、受験勉強とかそういうのどうすればいいの?
ぐるぐる渦巻く不安。どしどし堆積する焦燥。
そんな日々。
朝は起きたくなるまで寝て。
おやつは食べ放題。
飽きるまでお絵かき。
何時間でも「あつまれ どうぶつの森」。
そんな日々。

私がリビングに入ると、娘は床に座って、ソファにパソコンとタブレットを置いてお絵かき。妻は隣でソファに寄りかかって「あつまれ どうぶつの森」。
妻がニンテンドーSwitchの画面から目を上げずに言った。

「私たち、二度と戻らない今日という日を楽しんでるの」

あ、

赤毛のアンかよ。

blinkpanda
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