正義と悪の特撮最終回 #7 『人造人間キカイダー』

昔の特撮番組の最終回をネタバレで紹介するおせっかいノスタルジー企画第7弾は、大好きな『人造人間キカイダー』。
初めてキカイダーを見た時はおったまげました。雑誌に載ったイラストだったと思いますが、

頭に段差がある!
右と左で色が違う!
あちこち中の機械が透けて見える!

なんか変だ!でもカッコいい!こいつはやられた!(なにが?)
たちまち夢中になり、ドラマ入りのレコードを買ってもらいました。

でも。

地方に住む少年の幸せはたいてい短いもの。
私が生まれ育った静岡県では水曜日の夕方に放送していた『人造人間キカイダー』ですが、第何話だかで突然終わってしまったのです。
雑誌などを見ると、ハカイダーとやらが現れて、脳みそを見せながらキカイダーと激闘を繰り広げているもよう。
でも静岡県の良い子たちはテレビでハカイダーを見ることなく育っていったのです。特撮ファンの間では、静岡県といえば、「キカイダーの放送が打ち切りになったかわいそうな県」として認識されています。
さて、そのキカイダーの最終回です。

『人造人間キカイダー』最終回(第43話)「ジローの最期かダーク全滅か⁉︎」

 

脳をハカイダーに移植され脳なし状態の光明寺博士。その博士を探してダーク基地に潜入したミツ子、マサル、ジロー、はんぺん。
とうとう光明寺博士を発見するが、そこへ現れたダーク破壊部隊最後の戦士、白骨ムササビ。
前回バラバラにされて修理されたばかりで変身できないジローが囮となって白骨ムササビを外へ誘い出す。早く光明寺博士を手術しないと死んでしまうのだ。
キカイダーに変身できないジローを心配して父を置いてジローの元へ行こうとするミツ子の頬に弟マサルのジャンピング張り手が飛ぶ!
「ジローの気持ちがわからないのか!」
マサルの頬を伝う涙。我に帰るミツ子。
空飛ぶ白骨ムササビからサイドマシンで逃げるジロー。

「俺は多分あいつには勝てない。どうせやつに殺されるなら少しでも遠いところへ行って殺されよう。その間にミツ子さんの手術が終わって、光明寺博士が逃げることができる。少しでも遠くへ。少しでも遠くへ」

なんとけなげな人造人間。ジローはキカイダーには変身できないけれど、ケナゲダーにはなれたのです。

白骨ムササビの追跡は厳しく、ついに造成地に追い詰められたジローは、いつもの癖で変身しようとします。
「チェインジ!」
ダメです。ジローの変身メカは虚しく空回りするばかり。追い詰められていくジロー。

一方そのころダーク基地ではミツ子による光明寺博士の手術が終わっていました。
なんの手術だっけ?
と思ったらハカイダーに移植されてた脳を光明寺博士の脳に戻す手術でした。
前回はバラバラになっていたキカイダーを修理してたし今週は脳手術。ミツ子さんすげーな。
ミツ子の涙で意識を回復した光明寺博士。
「ミツ子、マサル」
「お父様!」「おとうさーん」
感動の親子の対面。
そこへ現れたプロフェッサーギル。
「今までお前たちを殺さないでおいたわしが馬鹿だったのだ!」
反省したギルは光明寺親子を追い詰めますが、そこへ現れた(いろいろ現れるのです)はんぺんに気を取られているうちに光明寺親子に逃げられてしまいます。

ジローを崖から蹴り落として光明寺親子追跡班に加わる白骨ムササビ。
アンドロイドマンに追い詰められていく光明寺親子ですが、そこへ愛車にに乗ったはんぺんが現れてピンチを切り抜けます。もう何がどうなってるのかわかりません。

崖から落ちても生きていたジロー。ボヨボヨボヨンという変な音の指笛でサイドマシーンを呼び出しますが、力尽きて乗り込むのが精一杯。しかしマシーンは走り出します。そうです。自動運転機能が付いていたのです。
ジローを乗せて光明寺親子の元まで走ったサイドマシーン。
ジローを診断する光明寺博士。
「変身回路がはずれていた」
「あたしのせいだわ。あたしのせいでジローがこんな目に…」
自分の失敗に落ち込むミツ子。手持ちの工具でちゃっちゃっとジローを修理する光明寺博士。
しかしついにアンドロイドマンに追い詰められ、捕らえられてしまったのであった。

(ここでコマーシャル)



スイッチオン!人造人間キカイダー―ジロー、旅の途中で 伴 大介 (著)

 


人造人間キカイダー 1 (サンデー・コミックス) 石ノ森 章太郎 (著)

 

ダーク基地で鎖で棒にくくりつけられている光明寺親子にアンドロイドマンの薙刀が迫る。
と。
そこへギターのメロディ。
「どこだ!どこだどこだ!」
うろたえるアンドロイドマンたち。
なんか高い岩の上でギターをつま弾くジロー。
「ダークの首領プロフェッサーギル!いよいよ最後の時が来たようだな」
アンドロイドマンたちが寄ってたかって薙刀を投げつけるが、全てジローに払い落とされる。
ギルの笛を吹こうとするギル。ジローはキャッチした薙刀を投げて笛を破壊する。今までジローを苦しめたギルの笛の最後だ。
親子を拘束する鎖を引きちぎるジロー。
「ムササビ参上!」
今までどこにいたんだか白骨ムササビがここで参戦。
そして。
「チェインジ!」
ジローはキカイダーに変身。はずれていた変身回路がちゃんとはまっていたようです。
さっきの造成地で白骨ムササビと最後の対決。
デンジエンドでやっつけて再びダーク基地へ。忙しいなオイ。
ギルは基地の自爆装置をスイッチオン。
「俺といっしょに死ね!」
あちこち爆発を始めるダーク基地。
間一髪脱出する親子とジロー。
ダークは壊滅したのだ。

キカイダー kikaider,KIKAIDA

ジローを殺人ロボットとして追っていたガタイのいい刑事の疑いも解け、スイスへの移住を計画する光明寺親子。平穏な日が戻ってきたのです。
雪山に登りたいだの牧場でのんびり暮らしたいだのとスイスでの生活を夢見るミツ子とマサルを残して一人旅立つジロー。
「全国を回って、不完全な良心回路に負けない精神力をつける」
ジローの自分探しの旅がいま始まったのです。ちょっと何を言ってるのかわかりませんが。
スイスへ旅立つ飛行機を一人見送るジロー。
がんばれキカイダー、さようならジロー

おわり

というわけで、キカイダー最終回こんなでした。
シリーズ的にはこの後『キカイダー01』が始まって、ジローも出たりするのですが、静岡県ではまったく放送されなかったのでした。

→[特撮最終回総目次]

linelink01

コメント

  1. […] 正義と悪の特撮最終回 #7 『人造人間キカイダー』 […]

  2. […] 正義と悪の特撮最終回 #7 『人造人間キカイダー』 […]

タイトルとURLをコピーしました