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キシワタリ天涯地 19 (拡張版)

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え?くぼやん、知らないの?

男子ってクラス変わると話したりしないんだね。
私は、よっちゃんが2組だから教えてもらったんだけど、

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春加瀬くん、一学期終わったら転校しちゃうんだって。
わけあっておばさんの家に居たんだって。
どんなわけか誰も知らないみたいだけど。
あれ?どうしたの?ショック?
なんで言ってくれないんだって?
春加瀬くんの口から聞きたかった?

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「春加瀬…」

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「くぼやんスキありっ!セクシートライ!アングルッ!」

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「なにすんだよ、」

「なんだくぼやん、最近ノリ悪いよなぁ」

「そんな、ガキみたいなこと、セクシーダイナマイツ!」

「うおっひ!くぼやん久々のダイナマイツ!今のはきいたぜ」
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「………」



「ふっ…」

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「渉ちゃ〜ん、明日美ねぇちゃんだよ〜、入るよ〜」

「あ、うん」

「はいっ。お姉ちゃんから渉ちゃんにプレゼント」

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「え?」
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「もうほらそのバッグもさー、お疲れ様でしょ?ね」

「え?」

「これ。安いやつで悪いけど、私からプレゼント」

「う、うん。ありがとう。ありがとう明日美お姉ちゃん」

「おばちゃん、渉くんはうちから中学行くと思ってたんだよねぇ。ぜったい学生服とか似合うと思って楽しみにしてたんだけどなぁ。残念」

「ありがとう。ありがとう」

「……、あ、渉ちゃん、机の下かたづけといてねー、また虫が出るわよ虫が。あの黒いテカテカした渉くんが大っ嫌いな虫が」

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「うん…」

「え?何?なんの話?」

「ふふ。渉ちゃん、ダメなんだよね。
渉ちゃん、虫とかダメでゴキブリなんか本っとダメで、夜中に私の部屋に逃げてきたんだから」

「えーっ!知らなかったー!怖いものなんか無いと思ってたー」

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「ぜ〜んぜん。夜中におねぇちゃ〜んって来たんだよ。何事かと思ったよ」

「えー、どうすんの?男の子?おばちゃんなんか心配になっちゃった。
いざって時はどうすんの?いざってどんな時かわかんないけどさ」

「いざって時は、…がんばります」

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「いざって時は素手で掴んでポイって投げちゃうよね、渉ちゃん」

「素手はちょっと…」

「渉くん…、旭小も明日で最後だねぇ。お友だちとも明日でお別れだねぇ」

「…はい」

「だからほら、これしょってまた来ればいいのよ!旭寿町に。何度でも」

「うん。うん」

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「でも、明日から夏休みだって日に成績表とか配るのってダメだと思うんだよね。
くぼやん、そう思わない?」

「なぜ?」

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「これから楽しい夏休みだってのに出鼻をくじかれるっていうの?台無しにするっていうの?それに今日渡されたって二学期が始まる頃には忘れてるよね、いろんなこときれいさっぱり。
二学期の最初の日に渡してくれた方がよっぽど今日からがんばるぞっ、て気になれると思うんだよねー。そう思わない?」

「そうなったら二学期から学校来なくなるやつたくさんいんじゃね?」

「くぼやんオトナだなぁ、成績いいもんな。
体はオトナ頭脳もオトナ、要するにオトナなんだよくぼやんは。…? どうしたの?」

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「えっ!?なに?どこ行くの?ねぇ、くぼやん!帰るの?カバンは?ねぇ!」



 

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「春加瀬っ!」

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「春加瀬、お前、今日で…」

「うん。そうなんだ」

「春加瀬、俺…」

「あかねちゃんのこと、頼むよ。毎日になっちゃうけど

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「それはいいんだけど…」

「たのむよ」

「春加瀬…俺、俺は…」

「俺、さ、」

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「ちっちゃいころ、ボール遊びとかするとすぐケンカしちゃって。
よくお母さんに怒られてたんだ。ホント。すぐケンカになっちゃって、いつも怒られてた」

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「頭にくることがあっても、それがたとえ相手が悪いと思っても、三回はがまんしなさいって言われてたけど、でもぜんぜんそんな、がまんなんかできなくて、すぐ手を出しちゃって。みんなに怖がられてたんだ。
そんなだったから。
そんなだったから友だちってそういうの、ひとりも、いなかったんだ

お母さんも去年の三月に、し、死んじゃって」
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「もうなんにも言ってくれないよ。
俺には友だちっていなかったんだ。
…いなかった」

「春加瀬、俺、俺、…」

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「じゃあな、

くぼやん」

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春加瀬。春加瀬、俺は、俺は、…

 

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春加瀬、俺は…
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俺は…

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俺…

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俺…

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俺…行かなきゃ!
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あそこへっ!

 

(御子がおられた!)

(御子がおられた!)

「お母さん…」

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つづく

 

キシワタリ天涯地 19 2016.08.08

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