新春映画劇場2025 第3弾『隠し砦の三悪人』を観たら

お正月に映画を観るならなんといってもクロサワ。そのクロサワの中でも娯楽度が高いのがこの映画ではないでしょうか。『用心棒』も『七人の侍』ももちろんいいのですが、今年はこのクロサワをチョイスしました(クロサワクロサワ言いたいだけ)。

『隠し砦の三悪人』

戦で負けた秋月家再興のため、姫と軍資金を脱出させる、という話なので人がたくさん死にますが、陰惨にならないようになっています。脱出を成功させるため隠し砦で家臣が討ち死にしますが、それも砦が燃え上がる煙だけ見せることで表現しています。
姫の妹が身代わりとして殺されますが、それもセリフでの説明だけです。感情は高まるけど残酷なシーンは見せず、脱出行の冒険を楽しめます。

何が起きても暗く沈み込むことがないのは、欲望剥き出しで喧嘩ばかりしている太平と又七の存在も大きいかと思います。スターウォーズのC-3POとR2-D2のモデルになったと言われているコンビですね。
観客はこの二人を「バカだねぇ」と見ていればいいのです。

あの二人がいないと観客自身が六郎太や雪姫に叱られてるような気分になっちゃいますからね。雪姫になら叱られたい気もしますが。あれでピシッてね。

もちろん主役の三船敏郎の見せ場もたっぷりあって、殺陣も刀はもちろん、槍、走りながらの馬上の斬り合い(あれ凄いですよね)と、見ていて惚れ惚れしちゃいます。
あと岩場の斜面をひょいひょい駆け登ったり駆け降りたりするのも地味に注目しちゃいました。「強靭」という言葉がピッタリくる人だと思います。

だいぶ前に劇場で観たのですが、初めの方の埋蔵金掘り出し現場からの集団脱走の場面で、人が奥からドドドドォッ!って文字通り雪崩のように迫ってくるのには度肝を抜かれました。

ハラハラドキドキし通しでしたが、最後はホッとする終わり方で、幸せな気分で鑑賞を終えられました。めでたしめでたし(たくさん人は死んだけど)。

linelink01

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