怪獣映画のクオリティは、怪獣の歯の本数とミニチュアの電柱のあつかいを見れば判断できると言われています。
初代ウルトラマンの怪獣とファイヤーマンの怪獣の歯の本数を見れば明らかです。
歯と電柱をおろそかにする怪獣映画はダメなんです。
1984年の『ゴジラ』は、歯に気を使ってはいましたが、口を閉じても牙がちょびっと見えたりして、バカっぽくなってましたね。
歯の数だけではないってことですね。
ってなに怪獣談義してんだ俺は。誰か止めろよ。
というわけで今日から始まりました新カテゴリー「世界電柱遺産」。略して「セカ柱(チュー)」。
電柱と電線の美しさに着目した写真を紹介(って自分で撮影してんだけどさ)していきます。
もともとは山口晃の画集『前に下がる下を仰ぐ』に記載されていた「自由研究(柱華道)」というページを読んで電柱・電線の美しさをあらためて感じてみようと思ったのがきっかけでした。(詳しくはこちらに感想書いてます→行けなかった展覧会の図録、山口晃『前に下がる下を仰ぐ』を観たよ読んだよ)
怪獣映画かんけーねーじゃん、と思ったかもしれませんがそんなことはなく、柱華道以前にも空を見上げては電線の美しい流れを鑑賞し、日本に生まれた幸せをしみじみと感じていたのでございます。
では。セカ柱第一回。今回は、身近な電柱、電線たちをご紹介します。
NO.1:頭上の十字路
オーソドックスなたたずまいでありながら十字に流れる電線。右下のふにゃふにゃっと波形を描く電線がアクセントになっています。
NO.2:逆さ電柱
田植えを終えた水田に映り込む電柱たち。日本ならではの美しい風景と言ってよいでしょう。右側の、寄り添うように立つ電柱、左に立つ一本もの。幸せな夫婦から独立していくエネルギーに溢れた若者を思わせます。左奥に立つ、電柱の元締めである鉄塔は、慈愛に満ちたおじいちゃん、といったおもむきですね。
NO.3:俺にまかせろ!
NO.1と似た十字型を描いていますが、こいつは一本で四方に広がる電線の支点を務めています。なんでしょう、この踏ん張ってる感じ。
じっと見つめていると、何かと家族に頼られるお母さんにも、「俺がやらなきゃ!」と踏ん張っている中間管理職のサラリーマンにも見えてきます。思わず「がんばれよ」と声をかけたくなりますね。
以上、今回は三電柱ご紹介いたしました。
皆さんもスマホばかり見つめていないで顔を上げて電柱と電線を味わってみませんか?
でも、足元には気をつけてね!
じゃ、アディオスセカチュー!!