それは幸せを運ぶ円盤。『シン・ゴジラ』Blu-rayを(特典も含めて)観たよ

予約しておいた『シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組』。
平日夕方に届いて、我慢できなくて、就寝時間を少し遅らせて本編だけその夜観てしまった。
劇場で二回観て、テレビ画面で三回目の鑑賞ということでやや余裕の鑑賞だが、あの密度。
何も情報を入れずに観た一回目の衝撃には及ばないが、展開がわかっているぶん落ち着いて味わえる。そのためか印象が変わったシーンもあったが、劇場で見たときと同じく目頭が熱くなったのが在来線爆弾のけなげな爆走(文字通り爆走)。
特に鉄道ファンではないが、なぜか感動する。「ありがとう」とつぶやきそうになる。

このセットでよかったのは特典ディスク2。
現場アウトテイク、未使用テイク、NGテイク、プリヴィズ・特撮アウトテイク、VFXメイキングなど、どれも面白くて、結構長いけど土日で鑑賞。
NG集を見ると、耳慣れない言葉が大量に混じる長いセリフを早口で喋らなければいけない役者の苦労がよくわかる。みんなが長いセリフを言いながらしかも動きがある場面で最後にNGを出してしまうシーンとかもあったが、「いいよいいよわかるよわかるよ大変だよね」と言ってあげたくなる。
比較的簡単なセリフで三十回くらいNG出してる人もいたけど。

役者さんの苦労も興味深いんだけど、やはり特撮やCGのメイキングの方が好きかな。
実景とCGの合成の過程とか、ミニチュアでのシーンとか、ホントわくわくする。ビルごと倒れるオフィスのミニチュアの机にハサミとホチキス(もちろんちっこいのね)が入ってるのとか、日本家屋の瓦屋根をふいてる(もちろんちっこいのね瓦)とことかニコニコしちゃう。そして在来線爆弾シーンのメイキングでまたも目頭が…。もはや「在来線爆弾」という言葉だけで泣ける。それらが、多数の伊福部マーチ他劇中使用曲に乗せてリズム感よく見られる素晴らしいつくり。また見よう。

あと、街なかをエキストラが逃げ惑うシーンで、大きな通りをたくさんの人が最初は普通に歩いていて、次に奥の方の人が異常に気づいて走り始め、それがだんだん手前の人たちに波のように伝わるシーンがメイキングにあって、映画でどのくらい使われたかわからないけど本当に怪獣がいきなり進行してきたらこんな感じになりそうだよな、と思った。

この映画は、高密度の情報(それこそ劇中に出るあの図面のような)が書き込まれた無数の透明のレイヤーが重なって立体的なシン・ゴジラという象りを成しているように感じていて、見る角度によって、その透明ゴジラの中にいろんな模様が浮かび上がってくるんだと思う。レイヤー1枚1枚の情報は固定されているけど、こちらがそれなりの情報を得てから角度を変えて透かして見ると、その都度違うものが像を結んで見えてくるんだと、そんな風に思っている。
メイキングを見て、『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』を読破して(まだ読了してません)、また本編を観たらまた違った像が結ばれるかもしれないので楽しみにしています。
何も知らずに観たあの幸せな初鑑賞の感動はもう戻ってこないので、こっちに行くしかないかな、と。

linelink01
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