未来なんて不安だらけ、過去だけがぼくの友だちさ。というわけで4回の余計な、あ、いや夏の増刊号を挟んで通常号の再開です。
第何回か忘れていたので調べました。第22回でした。通常号を休んで出したのが「増刊」っておかしくね?増えてなくね?という疑問は夏の思い出とともにきのうに捨てましょう。夢も希望もきのうに捨てて明日へ向かって生きてゆきましょう。初めと言ってること違ってなくね?
月刊スターログ日本版NO.83:1985年9月号 定価750円
手元に残ってる月刊スターログとしてはかなり後期、というか末期の号です。定価も750円。巻頭ピンナップも無くなって、途中に、普通の記事を開いて読むような形式になってます。ずっとこうなのかな?
そのころハレー彗星に乗ってスペースバンパイアが地球に接近していた
76年周期で地球に接近するハレー彗星。前回は1986年に地球に接近してました。というわけで次回は、その76年先なので、えーと、えーと、計算してみてください。ずっと先ですよ。びっくりしますよ。
というわけで1985年にはハレー接近便乗映画『スペースバンパイア』』“LIFEFORCE”が公開されています。
監督トビー・フーパー、脚本ダン・オバノン、SFXジョン・ダイクストラ。すげーメンバーのすげー映画。ハレー彗星に乗ってスペースバンパイアが人間の精気を吸いにやってくるしかもスペースバンパイアは全裸美女集団。なぜだ?
スターログでも大特集。巻中のピンナップも『スペースバンパイア』、折り込みを引っ張り出すと全裸美女バンパイアの写真が。エロ本か。
この映画、テレビ放送したものを部分的に見ただけなのですが、各種SFXシーンはテレビ以外でも目にすることが多くて、スターログの特集でも「まるで特撮テクニックの見本市」と書かれています。精気を吸い取られてミイラ化した死体とか、顔と顔をくっつけてるとイナズマみたいのがビロビロビロって出て見る見る化物(だかミイラだか)になってくシーンとか。宣伝で見たのかな?宣伝はしやすい映画だったかもしれないですね。全裸もあるし。
ってこれ原作があるんですね。コリン・ウィルソン。オカルトの人ですね。新潮文庫から原作本が発売されていると記事中にあります。結構長いですね、原作。
原作:宇宙ヴァンパイアー
そのころなかなかファンタスティックだった
まったく知らない、もしくはタイトルは聞いたことあるけど内容はほとんど知らない映画も何本か紹介されてます。
ジョン・ブアマン監督の『エメラルド・フォレスト』“The Emerald Forest”。大アマゾンに消えた少年は戦士になって戻ってきた。ターザンみたいのですね、たぶん。
アラン・パーカー監督の『バーディー』“BIRDY”。鳥と同化しようとした若者バーディーと親友との愛情、美しき幻想と狂気に満ちた映画、だそうです。日本でいうと鳥人間コンテストにかけた青春、みたいな感じでしょうか。
スラバ・ツッカーマン監督『リキッドスカイ』“LIQUID SKY”。セックス・ドラッグ&ロックそしてUFOとエイリアン パンクなカルト・SFホラー。もう何が何だかわかりません。解説によると、ファッション・モデルの脳に小型エイリアンがとり憑いて、人間が感じるエクスタシーをエネルギーにするため、次々と男と関係するが、男たちはみな奇怪な死を遂げてしまう、ということです。スペースバンパイアっぽくもありますね。なんかこういう時代だったのでしょうか。ちなみに人間のエクスタシーはクリスタル状に結晶化して頭からニョキニョキ生えてくるそうです。でもこのエイリアン、最後は地球に飽きて何事もなかったように去っていくそうです。ドラッグの過剰摂取にはじゅうぶん注意しましょう。
そのころビデオもなかなかだった
ビデオソフト業界も安定してきたころだったのでしょうか、映画ソフトの定価は15,000円〜20,000円弱くらいですが、品揃えは充実していたようです。
『バンデットQ』の完全版、ロメロの『ゾンビ』の127分完全版ビデオ(日本劇場公開版は115分)の発売が報じられています。「完全版」とか言われると高くても買う動機になりますね。私はこのころビデオデッキ自体持ってませんでしたが。
発売リストを見ると『謎の円盤UFO』、『仮面ライダー』、『キャプテンウルトラ』など、テレビシリーズも巻を重ねているようなので、それなりに売れていたのでしょう。
最近のDVDやBlu-rayは昔テレビ放送した吹き替え音声収録が「売り」になってたりしますが、当時(85年ころ)も今も映像ソフトを買う客って同じ人たちなんじゃないかなってちょっと思いました。お金を払っても映像を手元に置いておきたい年齢層ってかなり狭いのでは、とか思ったり。
そのころ内藤陳はミスタースポックだった
スタートレックファンのためのページ「STARTREK FORUM」に小さく載ってた面白ネタ。
講談社の雑誌「ペントハウス」に載った和製スポック内藤陳。
“Photo by Bruce Osborn”とクレジットされてます。メイクも海外版かな。
というわけでひさびさの通常号、いかがでしたでしょう。それでは#23でお会いしましょう!ごきげんようさようなら!