『遊星からの物体X』の前日譚となるこの映画『遊星からの物体X ファーストコンタクト』。原題は“The Thing”。
あれ?前のやつも“The Thing”じゃなかったっけ?と調べたら前のは “John Carpenter’s The Thing”でした。『ジョン・カーペンターの遊星からの物体X』。
最近人気シリーズの前日譚企画が多いような気がしますが、2011年の映画なので、前日譚もののこれが先駆けでしょうか。
スターウォーズでいえば『ローグワン』くらい前作(っていうのか後日エピソードっていうのか)とくっついてます。いやもっとか。
何しろカーペンター版の冒頭シーンの三日前という設定。
もう急がなきゃカート・ラッセルが出てきちゃいそうなくらい接近してる。
こういう前日譚ものはオリジナルが歴史の一部になってるくらいじゃないと成立しませんが、これを観て、カーペンター版『遊星からの物体X』も歴史の一部になってるんだなあと再認識しました。
『ローグワン』は、デススターの設計図をめぐる “物語” をラストでみごとに集約しましたが、こちらは全体の “空気感” でカーペンターズとのつながりを強く保っているように感じました。
肝心の「物体X」については、カーペンター版のは今見ると若干素朴でぎこちない動きをしていますが、この新作ではその素朴な動きを「やや残しつつでも不自然じゃない」という微妙なさじ加減で仕上げていてとても良かったです。
序盤では暗かったりはっきり映さなかったりでストレスを感じますが、徐々にいろいろ見せてくれて、「うげぇ〜」というシーンもたくさん出てきて、「ちっちゃいのもおっきいのもきもちわり〜」でした。
というわけで。
ラストまで観たらすぐにカーペンター版を観たくなるそんな映画。
実際すぐにカーペンター版の冒頭を観てみましたが(ビバ!動画配信時代!)、違和感は全くありませんでした。お見事。
でも2本続けて全編観たらヘトヘトになりますね。
でもでもチャレンジャーのあなたは2本続けてさぁどうぞ(ビバ!動画配信時代!)。