とんだ人情映画『インターステラー』“Interstellar”を観たらー

誰かが面白いって言っていたからずっと観たいと思っていたのですが。
ちょっと長いので(2時間49分!)なかなか観る勇気が出なかった映画『インターステラー』をやっと鑑賞しました。
これを観るために有給取りました。(嘘)

インターステラー(字幕版)

AmazonプライムビデオでもNetflixでも「地球滅亡」みたいな映画がやたら多くて気になるのですが、この映画でも地球は(人類は、か?)滅びに向かってます。
すごくデカい砂嵐で食糧難になってます。もうダメ。お腹が空いて死んじゃいます。
人類は衰退して文明とか衰退してるっぽいけど主人公家族はそこそこ普通の生活をしていて、娘の学校での態度とかを教師に指摘されたりしてます。
ここいらで気づくべきでした。
そんくらいの映画だって。

誰も見たことがないもの(宇宙の果てとか物理法則が違う世界とかテレビから怨霊が這い出てくるとか)と誰でも馴染みがあるもの(親子愛とか男女の恋愛とか)を組み合わせるのが多くの人の心に届くフィクションの条件だとどこかで読みましたが、この映画では、宇宙の怪現象(ブラックホールとかなんかそういうの)と家族愛(主に父と娘)の組み合わせでした。

ただ、あまりに家族愛がわにウェイトが置かれていて、家族愛を演出するためだけにSF的なものが設定されているのが見え見えの映画になってました。

そんなに科学的な正確さを気にする方ではないのですが、「あの星は重力が強いので時間の流れが遅い。あの星で1時間過ごすと外の世界では7年経過する。いわゆる相対性理論だ」とか言われるとさすがに「はい?」ってなっちゃう。
こういうのもアベンジャーズとかだったらいいんですよ。ある条件下でミッションを行うっていう盛り上げのためにそんなのもありだと思うんですよ。
でもロケットの発射シーンやら、船体を回転させて人工重力を作るとかそれなりにリアルにやってきた映画でこれはないんじゃないかな、と。
しかもそこに普通に着陸して普通に歩いたりして、挙げ句の果てに大津波が起きたりするんですね。
「重力」ってなんだよ、と。
吹替版で観ていたのでひょっとしたら「重力」じゃなくて「獣力」とか「柔力」とかそういう未知の「じゅうりょく」なのかと思って字幕を表示させたらちゃんと「重力」でした。

この「じゅうりょく」エピソードが中盤あたり。
で、後半から終盤、父と娘ドラマを盛り上げるためにSF的設定はどんどん都合よくなっていきます。
すべては重力で説明できるみたいです。
そして、ブラックホールの中ではなんでも可能になるそうです。なんでかっつーと五次元だから。
もう『キャプテンウルトラ』の最終回とも戦えるくらいになってきました(参照→ お花畑だ特撮最終回#14『キャプテンウルトラ』)。

そんなわけで、初めから3分の1くらいまでは結構いいのですが、進めば進むほど「?」の連続で、ウェイトを置いてたはずの人情ドラマもなんか変で、終わる頃には誰が死のうが生きようが「もうどうでもいいよ」という気持ちになってました。
ひょっとしたら私などの思いが及ばないメタファー的な何かがあるのかな、と思うくらい「なんだこりゃ?」な結末でした。

私はこの映画、失敗してると思います。
有給取ってまで観る映画ではありませんでした。
取ってないけど。

blinksaba
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