最後にひとつだけ救いがあった。映画『チェンジリング』“Changeling” を観たら

初っ端で「A true story(真実の物語)」と表示されます。
実話だよ、と。
そうか実話か。
とはいえ、『サイコ』も『悪魔のいけにえ』も「エド・ゲイン事件」を元にしてると言われる映画界。どのくらい実話かなんて分かったもんじゃありません。
しかも舞台は1920年代のアメリカですから。遠い彼方です。
クリント・イーストウッド監督は『リチャード・ジュエル』も『運び屋』も実話を元にしてましたね。好きなのかな。
まぁそれは後で調べることにして、鑑賞開始しました。


チェンジリング (字幕版)


シングルマザーであるクリスティンの息子ウォルターが行方不明になって、5ヶ月後に警察が「発見したよ」と連れてきた子供はウォルターとは別人だったけど警察は取り合ってくれず、というお話。

身長が縮んでたり割礼されていたり歯科医の記録と違っていたりと、客観的な証拠もあるのに警察な全く取り合ってくれません。それどころか警察にイチャモンつけてくるクリスティンに圧力かけたり嫌がらせしたりと腐りきってます、ロサンゼルス警察。コロンボもビックリです。

本物のウォルターはどこに?そしてウォルターだと言い張るこの子供は誰?そしてなぜそんなことを?
というサスペンスと、息子のために腐った権力と闘う母親、という話なんですが、映画が半分くらい進んだところで、「え?これ何?」というシーンがインサートされます。
え?え?と観ていると「いやまさか、でもそれイヤー!嫌すぎるぅ!」ということがわかってきます。ほんとやだ。
その後すごく嫌な展開をこれでもかってくらい見せてくるんですこの映画。

いやな気分になりながらも観ていて思ったんですが、映画の初めの方でウォルターが出てきて行方不明になり、劇中では5ヶ月ですが、上映時間としては15分後くらいにあっさり警察が偽ウォルターを連れてくるんですね(母親が息子を探し続ける話かと思っていたのでちょっと「あれ?」と思いました)。

でもその子がウォルターかどうかって私は見てわからなかったんですね。ウォルターの顔、覚えてない。なんか「僕がウォルターです」って言われたら信じちゃいそう。
1920年代で、写真も気軽に撮れるものでもなかっただろうし、誰かの本人確認ってそんなに簡単じゃなかっただろうな、と思いました。
母親も一旦はそこで押し切られちゃったわけだし。怖いなぁ。

観賞後調べたところではこの映画、ほぼ実話に沿って作られているようです。ああもうやだ。
でもこの映画、最後にひとつだけ救いを与えてくれます。
その救いがどこまで事実に沿っているのかわかりませんが、こんな事実は無かったのかもしれませんが、だとしても、この映画の製作者は嫌な事件から目を逸らさない強さとともに優しさも持っていたんだな、と思いました。

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