注射は嫌いなので、「飲むワクチン」の開発を待とうかと思いましたが、そんなものが開発されているという情報はとんと見当たらず。仕方がないので筋肉注射ワクチンを予約しました。
というわけでやってきました第一回ワクチン接種の日。
普段はTシャツの上に襟つきのシャツを着ることが多いのですが、今日という日は袖をまくりやすいようにTシャツだけにしました。
現場でまごつかないように、素早く袖をまくる練習もしました。
袖をまくらなくて済むように、ハサミでTシャツに丸い穴を開けようかとも思いましたが、バカみたいなのでやめました。
病院へは妻に車で送ってもらいました。入院設備もあるそこそこ大きな病院です。
よくわかんないけど「1時間くらいかな」という目安で終わったら迎えに来てもらうことにしました。
病院の玄関を入ると係の人に名前を訊かれ、整理券を渡されました。18番でした。
私が待機ゾーンの椅子に座るとすぐに「13番、14番の方」が呼ばれました。何分も経たないうちに「15番、16番の方」が呼ばれました。
なんだよすぐじゃんかよホントかよひょっとしたら18番じゃなくて81番かも？と整理券を見ましたが確かに18番でした。
そんななので18番の私もすぐに呼ばれ、予診票のチェック、医師とちょっとお話、とスイスイ進みます。
医師はおじいちゃん先生で話がちょっと聞き取りにくかったのですが、「日本人は薬害訴訟以来ワクチンを怖がるようになってしまった」みたいなことを言ってました。
聞き取りにくいのをいいことに「このワクチンだけは危ねーけどな」とか呟いたかもしれません。いや、絶対言ってないですね。
で、いよいよお注射ゾーン。
練習どおり左の袖をさっと捲り上げ、肩を露出。
係の看護師さんに
「力を抜いてくださーい」
と腕をブルブルされる。
「力を抜いてくださーい」
２回言われた。
俺様が注射ごときで緊張してるみたいじゃんかよ。
ちょっとしてるけど。
肩から10センチくらい下、どちらかというと後ろ側に針が刺された。
チクッとしただけで、抜くときも痛くもなんともない。
ホントにワクチン射ったのかこいつ。
毎朝自分でインスリン注射をしている私は、人間の皮膚には「痛点」というのがあって、それを外せば痛みは感じないということを知っていたのですが、きっと痛点を外れたのでしょう。筋肉的痛点についてはよく知りませんが、そこもクリアしたのでしょう、きっと。
というわけで接種後の待機ゾーンへ。
接種を終えた人たちが同じ方向を向いて座っています。
私も指示されたパイプ椅子に座ってぼーっとしているとさっきのおじいちゃん先生（院長だった）がやって来て、何やら話し始めました。
よく聞き取れなかったけど、接種後の副反応の話をしているようで、「アナフィラキシーショック」という単語が出てきます。
私はイカアレルギーで、アナフィラキシーショックを起こしたことがあるので予診標にその旨記入しましたが、その項目を気にする人はいませんでした。
このワクチンは食べ物のアレルギーは関係ないということをどこかで読んでいたので、要注意項目では無いのでしょう。
テレビやらなんやらでワクチンの否定的な面ばかり取り上げるのは間違っているという方向におじいちゃん先生の話は続き、最後にこう締めました。
「みんなでワクチンを射って、早く元の楽しい日本を取り戻しましょう」
隣に座っていた人が大きく頷きました。
私もちょっと心が動きました。
接種を終えた人が座っている椅子の背もたれにはそれぞれあれが、あれ、あれ、なんつーんだっけ？時間が来るとピーピー鳴るやつ。
あのメカがぶら下がっていて、それが鳴ったら待機時間終了で帰ってよし、となります。
最初から最後まで手際がいい。
事前に送られて来た接種の説明書によると、通常の待機時間は15分、アナフィラキシーショックなど起こしたことのある人は30分待機、となっていました。
ということで私のアレは30分にセットされているのでしょう、きっと。
椅子の列の端からピーピー鳴って、皆順番に席を立っていきます。
そこへ次の接種を終えた人が座ります。
手際いいなー気持ちいいなーと眺めていたら、私のアレがピーピー鳴り始めました。
あれ？まだ15分…
「異常はありませんか？」
みたいなことを訊かれて、
「ありません」
と答えると、
「ではお帰りください」
あれ？
えーとあのアナフィラ、、、
ま、いいか。なんかあったら戻ってくるぞ。
というわけで30分で第１回目の接種完了。
これを書いている時点で接種から約2時間半経過していますが、今のところ何の異常もありません。
まったくの平熱で、絆創膏が貼ってなければどこに射ったのかもわからないくらい痛みとかもありません。
ホントに射ったのかなぁ、あいつ。実感なくてつまんないなー。
あ、そうそう。射ったのはファイザー社製のワクチンです。
あいつがホントに射ったのなら、ですけどね。
