とうとう2022年。
2022年といえば令和四年。
というわけで読んだ本やら読みかけの本やらを四冊紹介させていただきます。
読んだ本やら2022年1月
秋冬は仕事が忙しい時期に入るため、読書、感想アップとも滞りがちでした。
そんな中じわじわ読んでいた本がこれら。
『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』ニール・ゲイブラー/著
あのウォルト・ディズニーの伝記です。600ページ以上あります。
まえがきでは「ウォルト・ディズニーは冷凍保存されて蘇生の日を待っている」という都市伝説をまずは否定して、彼の功績と、逆に否定的な評価を並べます。また、身近にいた人々の「ウォルト・ディズニー観」が、どうも訊く相手によってだいぶ違いそうだということもほのめかされます。
大抵の読者はその名前やどういう人かある程度はイメージがあるウォルト・ディズニー。その生い立ちから死までが書かれた本です。
ミッキーマウスの誕生や、『白雪姫』がどんなふうに作られたか、その後の有名作品にウォルトがどう関わっていったか、ディズニーランドへ至る道、などが書かれています。
タイトルの「創造の狂気」(原題は “WALT DISNEY”)とか帯の「ミッキー生みの親、実は「嫌なヤツ」?」というコピーはちょっと煽り気味かな、という気がしました。そういう面も確かにあったかとは思いますが。
でもやっぱり身近にいたら大変かな、と思います。距離を置いたところから観客として見ている分には面白いですけどね。
私は、「創造」の話よりも、資金調達とか興行成績とかに悩む話の方が面白かったです。テレビ局との交渉の話も出てきます。
ウォルト・ディズニーの評価には忖度せずいい面も悪い面も書かれているように思いましたが、ひょっとしたら周辺の、特に存命の人にはちょっと気をつかってるのかな、と思うような箇所もありました。
『コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった』マルク・レビンソン /著
コロナ禍で世界中のサプライチェーンが乱れているそうですが。
物資そのものが不足していたり、物流が滞っていたりで、どこかの港で、港に入れない大量の大型船が順番待ちをしているのをテレビで見ました。
ちょうどこの本を読んでいたので、「ああこりゃもう大変なことが起こってるな、コンテナ的に大変だな」と思いました。
昔はコンテナなんて無く、鉄道もトラックも船も、それぞれの歴史があり、それぞれの方法で荷造りしていたため、トラックや鉄道から船、船からまたトラックや鉄道へ、という荷物のやり取りが非効率(頻繁に盗難もあり)だったそうです。
そこにコンテナが現れ、トラック、鉄道、船、全て共通規格の箱で一貫した輸送が可能になりました。
というお話ですが、もちろんそんな簡単単純な話ではなく、コンテナの規格やら、失業必至の港湾労働者への補償やら、対応できる港の整備やらで、話は行きつ戻りつします(この辺りで年代が前後して油断してると見失います)。
それにしてもよくもまぁ現状まで漕ぎ着けたものだと思っちゃう暗い大きな話です。
大型のコンテナ船に対応できる港を整備できた都市は発展し、整備のための投資ができなかった都市は貿易の面では没落したという話も面白かったです。ドバイがなんかすごいのは港の力もあったんですね。
というわけでいろいろ今まで考えたこともなかったことを知ることができてとても面白い本でした。長いけどね(約450ページ)。
開高 健 電子全集1 漂えど沈まず―闇三部作
開高健が電子化されてお買い得価格になっていました(だいぶ前に)。
小説三冊分プラスなんかオマケが付いて税込1,100円(2022年1月現在)。お買い得。
学生の頃に1、2冊読んだきりだった開高健。
でもなんか読まなきゃいけないような気がしていた開高健。
この機会に読めるだけ読んでみようと思いました。
「闇三部作」となっていますが、『輝ける闇』と『夏の闇』まで読みました。
海外特派員として赴いたベトナムでの体験を元に書かれた『輝ける闇』と、才色兼備だけれど心に傷があり、加齢による「色」の衰えを気にしている女との関係を描いた『夏の闇』。
どちらも「小説を読んでいる感」がものすごく強くてうれしくなりますが、一方で小説を読むための「消化力」が多量に必要とされるように思いました。「小説消化酵素」みたいのがね。
若い頃読むより今の方が味わいは深いような気がします。
「闇三部作」の第三部『花終る闇』は作者が58歳で亡くなったために未完だそうです。今の私より若くして亡くなっていました開高健。
「開高 健 電子全集」は全20巻あります。
まだ読んでいませんがこれも買いました。
→開高 健 電子全集12 ロマネ・コンティ・一九三五年/紙の中の戦争
無料お試し版もありますので気になる方はこちらをどうぞ。
でも少し読むと全部読みたくなると思いますよ。
小学館電子全集はいろいろな作家で出ていますね。限りある人生ですが、未読の有名作家の作品群がとても気になります。
→小学館電子全集
別冊映画秘宝 恐怖! 幽霊のいる映画
夏に買って読み始めた気がしますが年が明けてしまいました。まだ三分の一くらいです。
怖くて読めません。
ではなくて、コラム集なのでまとめて読む必要が薄く、隙間時間に一本ずつ読む、みたいなことをしていたらこんなことになってしまいました。
紙の本は持ち歩かず、自宅で寝る前に読むことにしているので他の続けて読むべき本に押しやられてしまいました。
夏までには読了したいと思います。
本書で触れられている映画は、配信で観られるものも結構あるので、それらを鑑賞する楽しみもあります。ネタバレ注意ではありますが。
というわけで「こんな本読んで(ます)ました」今回は令和四年にちなんで四冊ご紹介いたしました。
仕事も余裕期に入りましたのでたくさん本を読みたいと思います。
それではまた!ごきげんようさようなら!