それは新型コロナで自宅療養中のことでした。
家族から離れ、自室にコタツを置いてその上にiPadやらMacBookやら置いて、軽症だったのをいいことにネットサーフィンやらお絵描きやらと自由気ままに過ごしておりました。眠くなったらそのままゴロン。
自堕落なコタツの上で起きたこと
しかし。
そんな自堕落さにバチが当たったのか、体の動きが鈍ったのか。
コップを倒して水をこぼしてしまいました。
水(水道水)はコタツの天板をサーっと広がって、iPad(pro11インチ2018)のUSB-Cの接続口を浸してしまいました。一瞬だったと思うけど。
そこにあったタオルであわてて拭きましたが。
「どうしよう?」
パソコンとか水がかかっても通電させずに乾かせば大丈夫、みたいなことを聞いたことがあるのでしばらくそのまま放置しました。
もう乾いただろうとスリープから起動
さすがにもう乾いただろうと、カバーの蓋を開いてスリープからの再起動。
無事起動してまずはホッとしました。
コネクタに浸水したので充電ケーブルもつないでみました。充電してる。もう大丈夫。
と思いましたがそうではありませんでした。
純正品で充電できない!
その時充電できたのは純正じゃない(以下「不純」と表記)充電器とケーブルの組み合わせだったのですが、ふと思い立って純正充電器・ケーブルの組み合わせでつないだら、充電できない!
マジかよ!
iPhoneを使っていて不純ケーブルで充電できなくなったことはあったけど逆は初めて。
ネットで「iPad充電できない」で対処方法を検索するとまずは「純正品を使いましょう」というのが出てくる。うーむ。それがダメなんだってば。
何が起こっているのか探ろうと、不純充電器に不純変換コネクタ(USB →USB-C)を挿して純正ケーブル(USB-C →USB-C)をつなぐとなぜか充電できる。
ならばと純正充電器、不純変換コネクタ、不純ケーブルの組み合わせを試すとこれも充電できる。
MacBook用の純正コンビも試しましたがダメでした。
どうやら純正のみではダメで、不純が入ると充電できるようです。
理由は不明ですが不純なものが必要なようです。
まじめな若者の恋愛みたいですね。
意識的に不純を混ぜないと何も起きない。ずっと町を歩き続けることになっちゃいます。
カードリーダーや外付けSSDは?
純正と不純とどこが違うのでしょう?
ふと思いついてUSB-C接続のカードリーダーと外付けSSDも試してみましたが、これも読み込みませんでした。
SSDの起動ランプも点かないので、給電されていないのでしょう。
うーむ。
こういうことに詳しくないので憶測ですが、不純品は充電のみだけど、純正品は何かデータのやり取りのためのカラクリがあるのかもしれません。どっかちょっとだけとんがってるとか。コネクタのそこに反応する受容体がどうにかなってるとか。
水道水がワクチンのようにはたらいて抗体を作ってしまったのかもしれません。
*この辺はあまりまじめに読まないでね
不純品なら充電できるし、データのやり取りもほとんどiCloudやAirDropでやっているので不便は無いのですが。
まったく不便は無いのですが。
でもやっぱり。
純正品は良くて不純品がダメなら納得いきますが、逆はどうも釈然としない。
「不便はないけどやっぱりなんかやだな」という気持ちは残ってしまいました。
こんな時はあれだあれ
時間が経てば好転するかも、とかすかに期待していましたが、コロナの自宅療養期間が終わってもこの症状は変わりませんでした。
私にはコロナの後遺症はありませんでしたが、iPadに思わぬ後遺症が残ってしまいました。
「使えるからいいじゃん」という気持ちと「なんとかしたい」という気持ちが日々せめぎ合って私の心を乱します。
会社の仕事も手につかず、「iPad充電できない」で検索してばかりの毎日。
コネクタは露出しているからホコリが溜まりやすい、清掃すると良くなることもある、錆びいたら交換するしかないとか色々情報はありました。
その中に、iPoneの充電不良対応でしたが、「接点復活剤を使う」、というのがありました。
接点復活剤!
以前Switchのコントローラーが調子悪かった時に使ったあれ。
(参照 →日々棒組み885 Nintendo Switchのコントローラーが調子悪かったら)
そうか。奴がいるじゃないか我が家には。
なんでも「接点」が調子悪かったらこれ使えな接点復活剤。接点のことなら俺にまかせろな頼れる親方接点復活剤。
というわけで接点復活剤で接点復活にチャレンジ
とはいえ、Switchコントローラーの時は「これでダメなら新しいの買おう」と思っていたので気兼ねなくブシューっと注入できましたが、今回は基本不便なく使えるiPad。不純品でも充電できなくなるとか、そもそもまったく使えなくなるとか、状況が悪くなるかもしれません。ちょっと腰がひけます。
というわけで、iPad本体側ではなく、ケーブル側の接続部にスプレーして本体に挿すという方法で試しました。
小さなコネクタ部を手に持ってスプレーしたので、私の指にも復活剤がたくさんついてしまいました。指の接点が復活しそうです。
ケーブルを挿して、何度か抜き挿ししてから純正品コンビで充電接続。
ダメでした。復活しませんでした。特に悪化した様子はなかったのでもう一度、さっきより多めにスプレーして抜き挿し。
変わりなし。
そんなことをもう2、3回やってみましたが接点は復活しませんでした。ダメですか、接点の親方。
ただ、接点が復活する仕組みというのは、電気を通しているうちに着いた汚れを落とす、ということらしいので、時間をおけば何やら雪溶けみたいに汚れが溶け落ちるようなこともあるんじゃないかと勝手に考え、後日また試すことにしました。
状況は好転したけどかえって悪い?
その後日。
ケーブルよりカードリーダーのコネクタの方がスプレーしやすいと気づき、カードリーダーに復活剤をスプレーして抜き抜き挿し挿し。
変わらず。
埒が明かないのでとうとうiPad本体側コネクタにもスプレー。
画面保護フィルムの内側に染みてしまい大後悔(ペロッとめくってティッシュで拭いたら取れました)。
純正品で充電体制。
おっ!
緑色にイナズマ!これは充電中の表示!
と思ったら消えた!
と思ったらイナズマ!
と思ったら消えた!
充電中表示が点滅してます。
これはバッテリーに悪そうだとケーブル抜きました。
子供のころ電気をつけたり消したりして母に叱られたのを思い出します。電気とか壊れちゃうパターンです。
もしや状況が悪化したかと不純な充電をしたら安定してました。なんなんだろ。
ただ、充電表示のイナズマが出たのは少し良くなった証拠だと思います(思いたい)。
でも充電イナズマの点滅は本体に悪い影響がありそう。
というわけで、使用時の状況は変わらず、でも接点復活剤を使うという方向性は間違っていないと思えるようにはなりました。
あきらめない心が接点を復活させる(ような気がする)
「普通に使えるからいいや」という気持ちと「でもなんとかできそうな気がする」という気持ちがずっと行ったり来たりしていたわけですが、状況が少し変わったことで「きっとなんとかなる」という方にかなり傾きました。
そしてある日。
「今日で決めるぜ」という根拠のない高ぶりと共にカードリーダーのコネクタにスプレー。今日こそは、といつもより多めに、多めに、多めにスプレーしてからiPadに挿し抜き挿し抜き挿し抜き。いつもより多めに挿し抜きしてます。
そしてまず外付けSSDを接続すると、おおっ!起動ランプが点灯!
ファイルアプリを開くとSSDがマウントされ、中のファイルも開けました。
これなら充電もいける!と、純正コンビを接続すると充電中のイナズマが点灯!消えない!正常に充電してる!純正コンビで!
念のために不純セットでも試しましたがこちらも正常に充電できました。
純も不純も克服した!
酸いも甘いも噛み分けた!
これで安心。
Appleの下取りに出すときの「正常に充電できますか」という質問も、自信を持って「Yes」にチェックできる。
「あ、いや、充電はできるっちゃできるけど純正品ではダメで、不純なケーブルだと充電できるんです、不思議ですよね」なんて言ったら査定不能に分類されちゃいそうだ。0円だ。
試すなら自己責任でお願いします
というわけで私のiPadの充電不良対応を紹介しました。
書くまでもないとは思いますが、これはあくまで私の状況でうまくいった事例です。ネットで調べたところ、充電不良の原因はいくつかあるようなので、試しても本体に影響なさそうなものから試すといいと思います。
接点復活剤を試すのも自己責任でお願いします。使って状況が悪くなっても私に責任は負えません。
保護フィルムの内側に染みちゃうと拭くのが大変ですしね。
と断っておいて、Amazonの接点復活剤のリンク貼っておきます。
買った時はこんなデカい缶いらないよ、と思いましたが、今回だけでなく、Switchのコントローラーも定期的におかしくなり、スプレーすると改善するので、けっこう使ってます。
少し前にトイレのLED電球がチカチカしたのでスプレーしてみましたが、これはダメでした。接点の問題ではなかったのでしょう。
というわけで一家にひと缶備えて、なんか接点みたいなとこがおかしかったら試しにスプレーするのもいいかな、と私は思ってます。なんしろ安いし。