日々棒組み929 なまえを忘れるおじいさん(俺)の巻

前に「ケビン・コスナー」という名前をよく忘れる(忘れてることを思い出す)って話を書きました。 →日々棒組み836 記憶はどこにあるのだろう

その後もちょくちょく「ケビン・コスナー」を忘れたのですが、なぜ「ケビン・コスナー」ばかり忘れるのか考えてみたところ、これはきっと「ケビン・コスナー」という名前を格納した脳の部分が損傷しているのではないか、ということに思い至りました。
そして、時間をかければ思い出せるのは「ケビン・コスナー」という文字列を、メインではなくついでに記憶しているどこかにたどり着くからではないか、とも。

というわけで、「ケビン・コスナー」を脳の別の場所に移動してみました。フリッツ・フォン・エリックの息子たちの近くに。
それからはもう忘れなくなりました「ケビン・コスナー」。
ケビン・コスナーケビン・コスナーケビン・コスナー。ほらね。

と油断していたらきのうはある日本人の名前を思い出せませんでした。
出勤土曜日の朝。
コンビニで昼食用のパンを買おうとしたらなんか2割くらい値上がりしています。

あーあ。土曜日も働いてるっていうのに給料は下げられるしこの値上がり。働いても働いても暮らしは楽にならねーなー。

楽にならねーなー、働けど働けど。

…。

あれ?

誰だっけ?
暮らしが楽にならない人。
誰だっけ?
泣きながら蟹と遊ぶ人。
砂を握ったりふざけてお母さんをおんぶして歩けなくなる人。
誰だっけ?
茂吉?
違うな。
諭吉?
違う。むしろお金持ちだ諭吉。
ぢっと手を見ながら考えましたが思い出せませんでした。

そして夜。
帰宅途中の道で突然閃くように思い出しました石川啄木!
思い出した瞬間は気持ちいいのですが、やはり脳のどこかに損傷があるかと思うと悲しくなってきました。

啄木を
納めた箇所も壊れてた
われ泣きぬれてどこかに移す

というわけで「石川啄木」を中学生の時に仲良しだった石川くんの隣にそっと避難させました。

おそらく何年かしたら、石川くんが泣きながら蟹と遊んでたり、お母さんをおんぶしてたりという謎の記憶が滲み出てくることでしょう。

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