扉のむこうは真っ赤っか。個人的最恐映画『サスペリア』“Suspiria”をひとりで観たら

日本公開1977年の6月だそうです(今年2023年はサスペリア45周年ですね)。
私は中学3年生、もうすぐ15歳になるという頃ですね。
「決してひとりでは見ないでください」と言われたので友人とふたりで観に行きました。そしてひどい目にあいました(参照→世界一怖いホラー映画 後編)。

その『サスペリア』がAmazonプライム対象になっていたので今回はひとりで鑑賞(『サスペリア』の感想を書くときは何人で見たか申告するのが作法ですね)。

Amazonプライムビデオ →『サスペリア』 (字幕版)

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アメリカからドイツのバレエ学校に入学するためにやって来たスージー(ジェシカ・ハーパー)。空港に着くと外は横殴りの大雨、不気味な音楽も聞こえてきます。
タクシーもなかなか止まってくれません。
これからスージーが大変な目に逢うことを暗示するかのような幕開けです。
アメリカ娘がドイツで酷い目にあうイタリア映画。第二次世界大戦の鬱憤を晴らす、それが『サスペリア』という映画なんですね。信じるな。

やがてタクシーは森を抜けバレエ学校に着きますが、玄関から女が飛び出してきて何か叫ぶと森の中に駆け込んでしまいます。
なんだろうと思いながらもインターホンで到着を告げるスージーでしたが、「あんたなんか知らん」と門前払い。
仕方なくまたタクシーで街に戻るスージー。さっきの女が森の中を走っているのを見かけます。

そのスージーじゃない方の女は友人の家にたどり着き、泊めてもらうことに。距離感よくわかりませんが。
でもその夜何者かに殺されてしまいます。血まみれの首吊り状態でブラブラ。友人も巻き添えでガラスの破片やらなんやらでザクザクの血みどろで死んでしまいます。
必殺シリーズの再放送で首吊り死体は毎日見ていますが、血まみれザクザクはギョッとします。
でもずっとこんな感じで、スージーがバレエ学校に入っても理屈はともかく無理やりのように嫌なことがザクザク起こるんです。それがサスペリア。盲導犬協会の人が見たら目をむいて怒りそうなシーンもありました。

スージーは「ここなんかおかしい」と思うのですが、すぐ眠くなってしまってなかなか謎に迫れません。夕食のワインに睡眠薬が入っていたのです。

しかしバレエ学校で仲良くなったサラまで行方不明になるに及んで、スージーは行動を開始します。
この学校はなんだか魔女くさいと突き止めたスージーは、夜中に教師たちが集まっている部屋を突き止め、さらにそこで魔女と遭遇します。

魔女は、声だけで姿が見えませんがいろいろ怖いことを言ってスージーを脅かします。
しかしそこはアメリカ娘。床に落ちていた尖った何か(孔雀の置物の羽)を拾うと魔女の声に向かっていき、稲光に一瞬浮かび上がった魔女を刺し殺してしまいます。

魔女の僕だった教師や使用人たちは苦しみもがき(たぶん死に)、バレエ学校の建物も崩壊を始めます。
スージー逃げ出そうとしますが、壁が割れたり何かがバタンと倒れたり窓ガラスが割れたりドアがバキンと割れて吹っ飛んだりと大がかりなお化け屋敷状態。

このシーン、私にはジェシカ・ハーパーがその仕掛けに本気で驚いているように見えました。びっくりして飛び上がったりしてる。
ラスト、無事に脱出したスージーが、燃え上がる学校をバックに笑顔を見せます。この笑顔が何を意味しているかということがネットでも話題になったようです(魔女がスージーに取り憑いたんじゃないか、とか)が、これはお化け屋敷から出てきた人がとりあえず笑うあの笑顔じゃないかと思うのですがいかがでしょう。

「やだもう」と言っているような笑顔でスージーはその場を歩き去りますが、バレエ学校の他の生徒たちがどうなったか全くわかりません。学校が大変なことになっているのに誰も出て来ません。
スージーが一人で逃げてそれでおしまい。
だめだよスージー、みんなを置き去りにしちゃ。
スージー、
決してひとりでは逃げないでください。

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