「いちにちいっぽん!」で三作鑑賞。映画『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』『新世紀(ライジング)』『聖戦記(グレート・ウォー)』を観たら

『創世記(ジェネシス)』だけずっと前に観て、
「これは面白いぞ。続きが観たいぞ、やっぱ俺たち世代は『猿惑』観なきゃな」
などと思ったのですが、『新世紀(ライジング)』公開時には少し冷めていて、というか「『創世記(ジェネシス)』どんなだったっけ?」状態で、もたもたしているうちに『聖戦記(グレート・ウォー)』も公開され、公開終了し、Disneyプラスで配信されているのに気づいていたけど、
「これ今から観るなら最初から観ないとだよな~。でも三本も観なきゃかぁ。しんどいなぁ」
などとさらにもたもたついているうちに孫が生まれてそりゃもうかわいくてかわいくて猿のことなんかどうでもよくなっていたのでした。

それがこのたび、ちょっと事情があって、孫と会えない三連休となり、さみしさのつれづれにふと思いつき、「いちにちいっぽんさるのわくせい!」という大目標を立て、見事成し遂げたとそういうわけです。

あたらしい三部作の幕開けとなる『創世記(ジェネシス)』(2011年)では、猿たちがお利口になっていく過程が描かれ、エンディングで人類が大ピンチになったことが伝えられます。

旧作で言うと『新・猿の惑星』あたりみたいなことになりましょうか。いちばんお利口な主人公猿の名前はシーザーくんです。
シーザーくんたちは人間が作った薬物でお利口になりますが、同じお薬が人間には殺人ウィルスになってしまいまいます。

そして第2作『新世紀(ライジング)』
オープニングで「猿インフルエンザ」のおかげで人類文明がなんかえらいことになっちゃったとナレーションが入ります。パンデミックですね。

前作から10年後。
猿たちは森で平和に暮らしています。
「最近人間見てなくね?」
「人間滅んだんじゃね?」
みたいなことを音声言語と手話を交えて話しています。どんどんお利口になってます。
でもそんなこと言ってるある日、人間がやって来ます。
滅んでいなかったんです人類。
それどころか普通に身ぎれいな服装で、車に乗ってやって来ます。銃も持ってます。銃を持ってたのでやっぱり撃っちゃいます。猿を。アメリカはいつになっても銃規制が進まないようです。

怒った猿たちは人間を殺そうとしますがシーザーが止めます。争いはさらに大きな争いを生むと知っているからです。ホントお利口ですこの猿。
しかし、シーザーの頼れる副官コバは、人間を生かして帰すと猿を殺しに戻ってくると反対します。かつてコバは人間たちの実験動物にされ、体を切り刻まれた経験があり、人間を心の底から憎んでいるのです。
このコバと、人間に愛されていた経験のあるシーザーとの価値観の違いがこの後もつれてゆき、猿世界をこじらせ、人間との争いをエスカレートさせていきます。

旧作(1968年版)では、猿たちは服を着ていて人間は裸同然でしたが、この猿たちは基本裸です。本当の猿に近い体型で猿っぽい2足歩行をしたり、木や建造物をスルスル渡り歩いたりします。
スパイダーマンがビルの谷間をヒョンヒョンするのを見てるのに近い気持ちよさも感じます。

昔の『猿の惑星』では人間の体型のまま猿っぽい演技をしてましたよね。ちょっと猫背で腕を大きめに振るような感じで歩いたりとか。
でも充分猿っぽくてすばらしい演技だったと思います、あの猿芝居。

あとどうでもいい話なんですが、シーザーの顔が映るとホリエモンの顔を思い出しちゃってたんですよね。機嫌の悪いホリエモンの顔。
「似てる」っていうのとちょっと違うんですがなんでだろ?目つきかなぁ。

さて。こうして人間も猿も大変なことになりながらの第3作は『聖戦記(グレート・ウォー)』

『新世紀(ライジング)』から2年後。
人間の軍団が猿の森を襲います。近代的な装備に見えます。人類しぶといですね。滅亡しかけてるとは思えません。
あれ?人間の味方をしてる(っていうかコキ使われているっぽい)ゴリラもいます。
なんでしょう?『猿の惑星:征服』みたいなことになっているのでしょうか?

人間の軍団の司令官は「大佐」と呼ばれています。
名前は出て来なかったようですが、たぶん名前はカーツです。
体格のいいスキンヘッド、頭はいいけど変人で何考えてるか分かんない大佐なんてカーツに決まってる。こいつカーツ。

猿の軍団は相変わらずシーザーが率いていますが、やはり平和を求めています。でも人間にも猿にも裏切られ、シーザーは人間を憎むようになってしまいます。

なんかもう精神的に追い詰められていきますシーザーくん。頭髪に白いものが混じるくらいです。人間に愛されていた、幸せだったあの頃はもう遠い昔です。
シーザーが悩んでいるところに来てカーツもわけわかんないこと言うのでなんだか難しい映画みたくなってきます。猿が出てくる『地獄の黙示録』でしょうか?

かと思えばユーモラスな猿や口のきけない人間の少女が出てきたりと、若干の迷走感も無きにしも非ずです『聖戦記(グレート・ウォー)』。少女を「ノヴァ」と名付けたりして過去作とのつながりをアピールしますが、私は昔のオトナノヴァのほうが好きですね。
そういえばこの三作、お色気は皆無だな。別にいいけど。

三作観終わって思ったのは、猿でも人でも心の動きを丁寧に描いてるかと思えば、あらかじめ決められた猿と人間の運命に行き着くためとしか思えない粗い行動も目につきました。
まぁ猿なので理解しずらい行動もあるでしょう、程度で納得できますけど。

旧シリーズは第一作めのインパクトだけでシリーズが作られたような印象がありますが、『新』の過去へ遡るアイデアは秀逸だし、『征服』は人種差別に対する風刺というアングルで観ると奥深いものがありますね。低予算だったらしく絵的に安っぽかった気もしますが、怖さも感じました。
旧作まとめて観るならこんなソフトがあります↓

猿の惑星 ブルーレイコレクション (6枚組) [Blu-ray]

人種差別的なテーマも含んだシリーズなので、今後改変される可能性もあり得るなと思ってます。配信してるの『フレンチ・コネクション』の改変で話題になったディズニーだし。
このBOX,ティム・バートンのも観られます。
今回鑑賞した後『猿の惑星』についていろいろ検索してたら、さらに新たな三部作の企画があるとか。そんなに猿好きなのかみんな。
だったら日本では『シン・猿の軍団』とか作ってくれないかなぁ。軍服着てバイク走らせる猿とかカッコいいんだよねー。

blinkpanda
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