日々棒組み952 人生で初めて「女って怖ぇ〜」って思い知った瞬間

子供の頃から女子と話すのとかすごく苦手で、還暦過ぎた今でもその「女性が苦手」傾向があるのを自覚しているのですが、最近その理由がわかりました。ていうか思い出しました。
怖かったんです。女全般が。

あれは幼稚園の年中さんの時でした。
私は2年保育だったので、入園したその年ということになります。
休み時間に園庭を歩いていると、同じ組にいた悪ガキがやはり同じ組の女の子に何か言っていじめているところに出くわしました。
黒目がちですらっとしたかわいい女の子でしたが、とにかくおとなしいので、悪ガキには格好の標的だったのでしょう。

通りかかった私に悪ガキは「お前も一緒に言え」みたいなことを言っていじめに誘いました。
それがどういう内容の言葉だったかは全く覚えていませんが、ちょっとおもしろそうだと思ってしまったのでしょう、わけもわからないまま私もいじめに参加してしまいました。二言三言だったと思います。

男子二人にはやしたてられ、その子はしくしく泣きだしてしまいました。
私が(あ、なんかまずいな)と思ったその瞬間。
園舎の軒の影からドドッ!と、いや、ドドドドドォッ!と何かが飛び出してきたかと思うと、大音声でこう叫びました。

「あたしのいもーとをなかすのはだれだあっ!!!」

園庭のみんなが振り向きます。
なるほど黒目がちの顔は妹とよく似ていましたが、体はイノシシみたいなお姉さんでした。

妹の前で仁王立ちになったイノシ、いやお姉さんは、ものすごい早口で私たちを責め立てます。
「いもーとをなかすなバカ」「おまえらはなにをやってんだバカ」「なぜいもーとをいじめるんだバカ」「それのどこがたのしいんだバカ」
女子の理屈抜きの言語能力に戦車の体躯、しかも正義はあちらにあります。バカ男子ふたりが勝てる相手ではありません。

じわじわ迫って来るイノシシ戦車にバカ男子ズは園庭をズルズル後退に次ぐ後退、とうとうジャングルジムの上に追い詰められてしまいました。
今でもはっきり覚えています。ジャングルジムを見上げて私たちを罵倒するイノシシ姉さん、その後ろでしくしく泣く美少女妹。俯瞰映像がくっきり脳裏に焼き付いています。

地獄の炎に炙られるような時間でしたが、言うだけ言って少しは怒りがおさまったのか、やがて姉は振り向き、妹の肘の辺りをつかんで引っ張りながら園舎に向かって歩き始めました。
「あんたもいつまでもないてんじゃないよ」
とか言いながらも何度も振り向いて私たちを睨み威嚇するのも忘れません。
もう完敗です。
私は怖くて怖くてしばらく身動きできませんでしたが、ふと横を見ると悪ガキはジャングルジムで遊び始めていました。猿のように。

こうして。
通常は思春期に知ることが多いと言われる「女は怖い」を幼少時に思い知らされた私は、その後の人生をずっと「女性が苦手マン」として生きることになってしまったのでした。

その後、猿はいつの間にか私の人生から消えてしまいましたが、妹美少女とは同じ小学校中学校に通い、同じクラスになったこともありましたが、ひとことも口をきくことはありませんでした。
「女子が苦手」と「度はずれておとなしい女子」に接点などあるわけないのですが、下手なこと言ってどこからかお姉さんがね、ドドドッてね、出てきたら怖いじゃんかよ。

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