夏休みサメ映画劇場『セーヌ川の水面の下に』“Sous La Seine”を観たら

まだ夏休みだったのかという疑問はさておき。
夏といえばサメ。
というわけでこの映画を鑑賞しました。
パリオリンピック前に観る映画だったかな、と思いましたがパラリンピックに間に合ったのでよしとしますか(どうでもいいが)。

『セーヌ川の水面の下に』

いつの頃からか世間では「サメ映画」というジャンルが確立して、愛好家も多いと聞いておりましたが、これもそんなサメ映画の一本になりましょうか。
まぁテレビ東京でちょいちょい放送している、タイトルに「シャーク」と付く、「笑かしたいのか」という映画とはちょっと違うだろうな、とは思いましたが。
タイトルだけだとサメ映画とは思いませんよね。なんかロマンチックな響き「セーヌ」。原題は翻訳したらフランス語で「セーヌ川の下」だそうです。フランス映画の原題ってなんかそっけないですよね。『愛と哀しみのボレロ』の原題は「Les uns et les autres」で、「お互いに」という意味だそうです。

それはそれとして『セーヌ川の水面の下に』。
海洋投棄されたゴミが集まって島のようになっている海域で7メートルもある巨大なサメが現れ、遭遇したチームの何人かがそのサメに殺されます。その鮫リリスにはビーコンが取り付けられ、追跡調査されていたのですが、3ヶ月前には2メートル半だったのが短期間で7メートル越えに急成長、びっくりしている間にダイバーが襲われて命を落としてしまったのです。

集積したゴミの中にサメを巨大化させる化学物質だか家畜をデカくする薬だかがあって、それを摂取したために巨大化してしまったみたいです。環境問題に対する問題提起が埋め込まれているってわけです。
このあたり怪獣映画っぽくてワクワクします。ゴジラもグエムルも通じるところがありますよね。何かが何かでモンスター化しちゃう。

で、7メートルザメの襲撃から3年後、生き残ったソフィアはセーヌ川に程近い水族館でガイドみたいなことをしていました。
そこで出会った自然保護団体のミカからリリスがセーヌ川に侵入していることを知らされます。天才ハッカーがビーコンを再起動して密かに追跡していたのです。
海水でしか生きられないはずのアオザメリリスがなぜセーヌ川に?

というわけで、3年前の件もありサメの被害を防ぎたいソフィア、とにかく市民を守りたい職務に忠実な警察官、リリスを保護して海に帰したいミカ、目前に控えたトライアスロン世界大会、ひいてはパリオリンピック開催のためにサメの脅威なんか表沙汰にしたくないと対策に本腰を入れないパリ市長などがそれぞれの思惑で行動して、観客の期待通り状況はどんどん悪くなっていきます。

なんだか『エイリアン2』を連想するような空気も漂わせつつ、最後は「そこまで行っちゃうのかよ」みたいなことになります。なかなか派手なクライマックスです。「おいおい」と言いたくなります。
でもいくとこまで行って終わるのでスッキリしました。
とても面白い映画でした。

が。

なんか勢いで翌日『ジョーズ』を観たんですね。なんか観たくなっちゃって(こんな時配信は便利ですよね、気楽に視聴開始できる)。

そしたらすげー面白いんですね『ジョーズ』。今更だけど。
無理に最近の映画と優劣つけることはないんだけど、なんすかね、緩急みたいなとこですかね。爺さんのノスタルジーもあるとは思いますが、それだけじゃない。あらためて名作なんだな、と再認識しました。

AIに「セーヌ川を泳ぐ隊長7メートルの青鮫の絵を描いてください」と頼んだらこんな絵を描いてくれました。ツッコミどころ満載。セーヌ川の水面は二層構造になってるらしいです。「セーヌ川の水面の下に」は、もうひとつ水面があったんですね。映画では描かれなかった衝撃の事実。

blinktasu
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