日々棒組み675 衆議院選挙に行って初めて知ったこと(ふたつ)

あのほら、選挙の時にハガキが来るじゃない。
切り取りミシンが入ってる投票所の入場券?あれがあればひととおり投票できるフリーパス?つーの?あれ。
あれが有権者である私のところにも来てたんですね、この衆議院選挙にそなえて。
今回の選挙は個人的にも大事な選挙と位置付けていたので、台風が接近しようが、仕事がいっぱいいっぱいで心を病みつつあろうが投票するつもりでいて、いざ投票におもむかんと、あのフリーパスをペロロっとめくって、ミシンのとこで自分のとこだけ切り取ろうとしたんだけどなんかきれいに切れないのね。なんかこうつっかえつっかえで。痰がからんだおじいさんみたいでさ。
で、あれって入場券の表側だけじゃなくて裏側(住所が印字されてる側)もはがせるのね。
で、
あれ?
いつもこっち側もはがしてたっけ?
選挙には何度も行ってるけど思い出せない。何度やっても覚えられない年末調整の届け出の書き方みたいだ。
はがせるんだからはがしちゃえ、とはがしたら、ミシンはきれいに切れたけど、肝腎の入場券が薄っぺらくなって、台風接近の湿気もあってかペロンとカールしてなんともチープな紙切れになってしまった。床に落ちていたら何の紙か確認されることもなく捨てられてしまいそうな安っぽさ。これで日本の未来を左右する大事な国政選挙の投票所に入場できるとはとても思えない。入場口で係の人に「これは使えません、ペロンとしすぎてます。ああ、こっちもはがしちゃったんですねぇ、時々いらっしゃるんですけどこれは使えないんです。ペロンとしすぎてますから。公職選挙法ですから」みたいなことを言われて追い返されそうだ。
あわててはがした紙をあてがって指でこすってみたが再び貼りつくことはなく、ペロンとめくれあがってしまう。
ノリで貼りつけることも考えたが、きれいに貼れる保証もなく、入場券偽造、公職選挙法違反で逮捕、公民権剥奪という恐れもあったため、しょうがなくペロンとカールした入場券をペロンとポケットに入れて家を出た。
台風接近中で雨はやや強かったが、風はそうでもなかった。
投票所の小学校の横の側溝は溢れかえっていたが、風はそうでもなかった。あ、風のことはもう言ったね。
私の前にいた若い夫婦を見ていたら、係の人に差し出した入場券はぜんぜんペロンとしていなくてすんなり入場。しまった。やっぱりあっち側ははがしちゃいけなかったのか。
しかし雨の中ここまで来たのだ。後へは引けない。何食わぬ顔でペロンを差し出す。文句あっか!
「あ、」
と係の人。
なんだ。
ダメか。ペロンはやっぱりダメか。
「これは」
なんだ。覚悟はできてる。はっきり言ってくれ。斬るなら斬れ。
「これは、来週の越谷市長選挙の入場券ですね」

え。

え?
こしがや?しちょうせんきょ?
そんなのあるの?来週?来週?
初めて知ったよ。ペロンじゃなくてそっちか。
あ。

え?もう一回家に帰って衆議院選挙の入場券持ってもう一回ここへ来なきゃいけないの?雨の中?もう一回往復するの?僕。今度はペロンとしないやつでくるけど、この雨の中?
「すぐ発行できますのでこちらでお待ちください」
係の人が横の椅子を手で示しながら言った。
あ。
そうなんだ。即再発行してくれるんだ。あはは。ありがとうございます。

というわけで。
今回衆議院選挙に行って初めて知ったこと。

1. 来週は越谷市長選挙がある。
2. 市長選挙の入場券でも衆議院選挙に投票できる。

そんな係の人の粋なはからいで無事投票を済ませ雨の中帰宅したが、来週の越谷市長選挙の入場券は、ペロンのまま私の手元に残った。
テレビの横の棚の上にペロンと置いたが。
くれぐれも床に落ちたりすんなよ。
なんだか確認もされないまま捨てられちゃうからな。ペロンと。

 

blinksaba

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