娯楽の王様西部劇。でもちょっぴり思ってたのと違った映画『捜索者』“The Searchers”を観たら

映画・ドラマ

西部劇といえば娯楽映画の王様、監督ジョン・フォード、主演ジョン・ウェインといえば最近の言い方なら鉄板コンビ、楽しく鑑賞いたしましょう。
と思ってたら、ちょっと違う感じでした。いい意味で。

 

冒頭、ジョン・ウェイン演ずる主人公のイーサンが、何年ぶりかで弟夫婦の家にやってきます。
「おじさんよ!」
三人の子供(娘ふたりと息子ひとり)は大喜び。
コートの袖に手を通さず肩にかけた様子にはなんだか寅さんを思い出しました。寅さんも流れ者で時々帰ってきては騒動を起こしますが、イーサンも騒動を起こすのでしょうか?寅さんイーサン、名前も似てる。

末娘のデボラ(5〜6歳くらい?)にせがまれてトランクからおみやげを出したりしてる。ますます寅さんみたい。

のどかに暮らし始めるイーサンですが、そこへある農場から牛が盗まれたという知らせが。
知らせに来た牧師であり大尉であるクレイトンはイーサンを見て、
「風来坊の兄貴か、いつ戻った」
とか言ってる。さらに寅さん度アップ。

クレイトンは牛泥棒追跡隊を募りにやってきたのだ。

兄アーロンの代わりに追跡隊に加わるイーサン。牛泥棒は先住民のコマンチでは、と推測するイーサン。
以前イーサンが助け、アーロン家で育てられたマーティン(先住民チェロキーと白人の混血)も追跡隊に。イーサンはとにかく先住民が嫌いみたいで、自分が助けたマーティンにもとかく厳しく接しています。
馬で追跡に出発する一同。牛泥棒と遭遇したら戦闘は必至ですが、青い空白い雲、荒野に岩山がボコボコ屹立している景色がなんかとってもきれい。1956年の映画ですが、修復してあるのかな?

やがて追跡隊は盗まれた牛の死骸を発見します。

せっかく盗んだのに食料にもしないでなぜ?と不思議がっていると、イーサンが言います。
「襲撃前におれたちをおびき出したんだ。狙いはお宅か弟の家だ」
残された槍で、牛泥棒は
イーサンが弟夫婦の家に戻ると家は黒煙を上げて燃えています。スターウォーズで帝国軍に襲われたオーウェンおじさんの家みたいです。
画面には映りませんが、弟夫婦と長男はそこでかなりひどい状態で殺されていたようです。イーサンは死体を見ようとしたマーティンを殴り倒したりしてます。
娘のルーシーとデボラはコマンチに拉致されたようで、姿がありません。
と、長くなりましたが、ここからが本番で、ここから娘たち救出のための旅が始まります。

馬で荒野を渡っていくのですが、まぁ、その絵がホントにきれい。ジョン・フォードが「名匠」と呼ばれる理由がよくわかります。
特に印象に残ったのは、
追跡隊がコマンチに取り囲まれていくシーン。
手前に追跡隊、奥にコマンチの馬の列、画面左から右へ移動。コマンチの向こうには岩山そして青い空白い雲。
反対側にもコマンチの一隊が現れる。手前に追跡隊、奥にコマンチ、今度は画面右から左へ移動。岩山、青空白い雲。コマンチたちのいるところには起伏があるようで、馬の列が起伏を登り、下りて行く。この時の馬たちが描くカーブがとってもきれいで、見とれてしまう。

そのあと戦闘になって、追跡隊はボロボロ。その後も殺されたり、脱落したりでとうとうイーサンとマーティンだけになってしまいます。その間ルーシーの死体が発見されたりします。
二人だけになっても追跡を諦めないイーサンとマーティン。何年も追跡を続けます。

途中、デボラと同じようにコマンチにさらわれて最近救出された女というのが出てきますが、すっかり精神をやられている描写で、ちょっと嫌な気分になります。

やがて犯人のコマンチ族を発見し、生きて成長したデボラとも会うことができるのですが、デボラはすっかりコマンチ族の一員になっていて…。という切ない展開。
2時間くらいの映画の1時間半くらいのとこでこの事実が判明します。
この後、「このくだりはいるのか?」というような細々した出来事があり、最後はまぁ、ハッピーエンドっちゃーハッピーエンドかな。
景色のきれいさと、そこにカチッとはまる構図がかっこいい映画でした。でも内容はいろいろ考えさせられるところもありました。
今回NHK-BSのプレミアムシネマを録画していたのを鑑賞しましたが、プレミアムシネマはちょいちょい同じ映画を放送するので、きれいな景色を観るだけでもぜひご覧ください。

*様々な解説によるとイーサンが弟というものが多いようですが、字幕と、放送時の解説ではイーサンが兄ということになっていますので、それに従いました。その方が寅さんっぽいし(そこか?)。

 

blinksaba

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