特撮っぽいテレビ番組ならなんでもネタバレ全開で最終回のお話を紹介するお節介ひとりよがり企画も第13回。
第10回目くらいかと思ったら13回目でした。びっくり。
今回ご紹介の『宇宙からのメッセージ 銀河大戦』は、『スターウォーズ』のパチモン呼ばわりされる(まぁしょうがないんだけど)映画『宇宙からのメッセージ』のテレビ版で、映画が1978年の4月公開、テレビ版は同じ年の7月放送開始というから、『スターウォーズ』の日本公開を挟んでることになりますね。だからどうってことでもありませんが。
1978年というと私が16歳になる年なんですが、そのころ住んでいた静岡県で放送していたかは覚えていません。してなかったような気がします。いずれにしろ観てませんでした。
今回amazonプライムビデオで全話視聴しましたが、一部固有名詞が共通している以外は、映画版とまったく別のストーリーでした。映画から流用しているものはありました。ミニチュアとか、特撮シーンとか、真田広之とか。
映画版は『南総里見八犬伝』を下敷きにしていますが、テレビ版は、宇宙を舞台にした「忍者活劇」でした。
宇宙船とか光線兵器、銃なんかを装備しつつも手裏剣やけむり玉が飛び交い、結局は剣での闘いで決着つける。
『仮面の忍者 赤影』が、戦国時代のお話なのに現代的な武器や技術が出てくるのとちょうど逆な感じでしょうか。初めの頃は頭がくらくらしましたが、楽しみ方がわかってくるとこれがなかなかいい感じ。
セリフも時代劇丸出しで、
「おいでなすったな」
だの、
「お釈迦様でもご存知あるまい」
みたいなセリフがポンポン出てくる。
特に悪役ガバナス帝国の大幹部コーガー団長(皇帝に次ぐ二番手)はふざけてんのかってくらい大げさな演技で、セリフに妙な間と抑揚をつけ、マントをひるがえし、拳を振り回しての熱演で、出てくるとついニヤニヤしてしまいました。
ストーリーもオーソドックスな時代劇風のものを中心に、西部劇風のものや怪奇ものまであり、立て続けに視聴しましたが飽きることはありませんでした。
終盤は無敵の皇帝ロクセイア13世を倒すためのアイテム、天、地、人、3つの星(でかい宝石)を集めるという話に集約していき(3つの星を集めるとロクセイアを倒す究極兵器“エメラリーダ ” が手に入るのです)、最終回の1話前、「26.エメラリーダの謎」の終盤でハヤト(真田広之)が天、地2つの星を手に入れ、“人の星” が惑星シータにあることをつきとめます。
しかし、そこへ現れたコーガーとクノーイ(コーガーの部下の女忍者)に奪われてしまいます。2つの星を手にしたクノーイは、コーガーもロクセイアも裏切り、「これは私のものだ!」とか言い出しますが、そこへ現れた(いろいろ現れるんです)ロクセイアの大魔神像の「目から怪光線」で処刑されます。
自分もロクセイアを裏切ろうとしていたコーガーでしたが、ロクセイアの圧倒的な力を見てビビり、その場にひざまずいて、
「コーガーめはロクセイア皇帝陛下の忠実なる家来でござりまする」
と土下座。
「だろうな」
とロクセイア。大魔神像からウェービングする緑色の光線を発射して、ハヤトを像の中に取り込んでしまうのでした。
「コーガーはシータに向かいまする」
ビビるあまりいつにも増して言葉づかいがおかしくなっていまする。
ハヤトの仲間のリュウとバルー(猿人)はそんなこととは知らず、宇宙船リアべ号でハヤトの帰りが遅いのを心配していまする。
一方、魔神像の中でビヨヨヨヨ~ンと光線から実体化したハヤトの前にロクセイアの声が。
「ハヤト、ロクセイアはここにおる。うあははは。我が姿、今こそ見るがよい」
後ろを向いていた玉座が回転してハヤトに向き直る。
「うはははは、はははは、んははは、ひっはっははは」
ロクセイアの笑い声が男の声から女の声に変わってゆく。
玉座の回転が止まり、
「余がロクセイア13世である」
ライトに照らし出されたその姿は。
「ソフィア!」
なんとロクセイア13世は、いつもハヤトたちを助けてくれた謎の王女ソフィアそっくりではありませんか
ナレーション(小池朝雄)
「ハヤトの前に姿を現したロクセイアの正体は、はたしてソフィアなのであろうか?」
つづく
『宇宙からのメッセージ 銀河大戦』最終回 27.さらば!銀河の勇者
「ロクセイアじゅうさんせい。ソフィア。あのソフィアが?」
ロクセイア13世の姿に狼狽するハヤトを乗せたまま飛び立つ魔神像。
それを目撃した猿人バルーとハナちゃん(島田歌穂)。
のんきにリアべ号で昼寝しているリュウに知らせに行きます。
「残念だが、あの魔神像だけはどうにも手に負えないよ」
昼寝を続けるリュウ。
ハナちゃんがロボットトントに魔神像の行き先を尋ねると、第1惑星シータに向かっているとの答え。
コウガーの乗ったガバナス戦艦もロクセイアの魔人像も惑星シータを目指します。そこに3つ目のアイテム“人の星”があるからです。
“人の星”はシータの湖深くに沈められたシータの神、マニヨルの像の中に隠されていたのですが、コーガーに見つけられてしまいます。
すでに“天の星”“地の星”を手にしているロクセイア。2つの星をブラブラさせながら、
「まもなく3つ目の、“人の星” も手に入るそうなれば、この宇宙に恐ろしいものは何も無くなる」
「ソフィアァァァァッ!!今まで、今まで俺たちをだまし続けていたのかぁ!?」
「そのとおり。今ごろ気がついても遅い」
大ショックのハヤト。しかしその時。
「いいえハヤト。だまされてはいけません」
ソフィアの帆船が現れ、舳先から光線を放ち、ソフィアを魔人像の中に転送、いつもの白いドレスのソフィアがハヤトの前に現れました。
「ソフィア」
現れたソフィアとロクセイアを見比べて混乱するハヤト。
「私が本当のソフィアです」
「そのとおり」
あっさり認めるロクセイア。
「ソフィアと私は双子なのだ」
「ロクセイアとソフィアが双子?」
驚くハヤト。
「ロクセイアは産まれながらに邪悪な心を持つ妹でした」
「おだまりソフィア!双子の妹というだけで、ロクセイアは異次元宇宙から追放された。だから私はこの銀河宇宙に生きる道を求めた」
ちょっとよくわからないところもありますが、壮絶な人生を送ってきたらしいロクセイア。ハヤトを殺そうとしますが、ソフィアの力で転送して、魔神像から脱出します。
ハヤトとソフィアが去った後、“人の星” を手に入れたコーガーが魔神像を訪れます。
“人の星”を手にロクセイアに近づいたコーガーは隙を見てロクセイアから2つの星を奪い取り、コーガー忍法五体縮小の法でちっちゃいおっさんになってまんまと魔神像から逃げ出します。
再び惑星シータの荒野に立ったコーガー団長。なぜかそこで「3つの星は我が手中にありぃ!」と空に向かって叫びます。
そんなことしてたので正義の味方流れ星(リュウの変身した姿)と、まぼろし(ハヤトの変身)が現れてしまいます。
「銀河のはてからやって来た。正義の味方。流れ星」
「平和の使者。まぼろし!」
しかしさすがはコーガー団長、二人を相手にしても一歩も引きません。崖のてっぺんに飛び乗ると、
「岩石落としぃ!」
無数の岩石を流れ星に向けて落とします。
「岩石がえしぃ!」
流れ星の術で岩石が崖を登り、コーガーを襲います。
まぼろしがそのスキをつこうとしますが、
「おのれまぼろし!火炎剣!」
剣から炎を発射してまぼろしを焼き殺そうとします。
「火炎、がえし!」
まぼろしも「がえし技」が使えるのです。
コーガーの善戦もここまで。最後は二人の必殺技、“電撃二段撃ち”でトドメを刺されてしまいます。
崖から落ちて立ち上がってクルッとマントをひるがえしてから爆発するコーガー。
3つの星もいっしょに?と思いきやあら不思議。爆炎の中から飛び出した3つの星がハヤトの手に。
「これで。ロクセイアを倒す究極兵器、エメラリーダになる」
(ここでコマーシャル)
3つの星を手に入れて、これで勝てるとリアべ号に戻ったリュウとハヤトですが、ロクセイアの魔人像が太陽グローラを破壊しようとしていることが判明します。
急いで阻止しなければこの太陽系は滅びてしまいます。
早く3つの星を使ってロクセイアを止めなければ。
しかし。
ここでとんでもないことに気づきます。
この3つの星をどう使えばいいのか誰も知らなかったのです。
そこへハナちゃんたちとともに現れたソフィア。
ソフィアは3つの星の使い方を知っていました。
「3つの星を正三角形の位置にもっていくのです。その中心にロクセイアが入れば、究極兵器エメラリーダとなって、エネルギーがロクセイアに降り注ぎ、ロクセイアは果てるでしょう」
「よおし。3機に3つの星を乗せて攻撃だ」
「トントガタイミングヲトリマス」
ロクセイア退治に出動するリアべ号。3機に分離して、ソフィアの帆船に先導されて魔神像を追います。
3つの星もそれぞれ金属製の筒にセットして、あとはロクセイアを正三角形の中心に誘い込むだけです。
魔神像に接近したところでソフィアをシータに帰し、最後の決戦。
魔神像が正三角形の中心に3つの星を発射。ギュワギュワした光が魔神像全体を包みます。
「あれが究極兵器エメラリーダ…」
「やったぁ、成功」
しかし。
いつまで待っても光がギュワギュワするばかり。魔神像が破壊される様子はありません。
「どうしたんだ?ばくはつしないぞ!」
「エメラリーダを手に入れても、命の星が輝かぬ限り余を倒すことはできぬ。やがて光の輪が消えた時、そなたたちの最期じゃ」
ロクセイアが冷たく言い放ちます。
ロクセイアを倒すには今初めて聴いた“命の星” が必須アイテムだったのです。
そこへ戻ってきたソフィアの帆船。
「ハヤト、本当のことを言います。究極の兵器エメラリーダには私のこの宝石、“命の星”のエネルギーが必要なのです」
ソフィアの胸元には緑色のデカい宝石が。
「ソフィア、そんなことをすれば、お前も死ぬぞ」
ロクセイアが止めます。
しかしソフィアはハヤト、リュウ、バルーに別れの言葉を残し、魔神像に向かいます。
「ロクセイア、私とともにこの宇宙から消えるのです」
稲妻状の光線を発するソフィアの帆船。魔神像の光の色が赤みを増し、回転が速くなっていきます。やがて赤熱した魔神像は帆船とガバナス戦艦とともに大爆発。
「ソフィアァァ!」
「ソフィアアッァァ~!!」
「ウガガガァァ~!」
絶叫するハヤト、リュウ、バルー。
こうして、ソフィアの犠牲でガバナス帝国とロクセイアは滅び、この太陽系は平和を取り戻したのでした。
おわり
という最終回でした。今回も長文ごめんなさい。全部読んだ方、大変だったでしょう?
書くのも大変でした。
大変ついでにもちょっと書いちゃいますが、これ、「原作:石森章太郎」となっているんですがこの最終回、石森章太郎テイストがいくつか盛り込まれてるな、と思いました。
魔神像の中でラスボスの意外な正体が明かされたり(サイボーグ009、キカイダー)、ラスボスの正体が正義側の誰かの肉親だったり(ロボット刑事)。
私は魔神像の中が決戦の場になり、ハヤトのピンチに流れ星が駆けつけ、ふたりでロクセイアを倒すも宇宙空間で脱出不能状態、惑星に墜落を始めた魔神像の中で、「俺もこれで本当の流れ星になっちまうなぁ」みたいなセリフが聴けるのかと思ってたけどそうはいかず、紹介したような展開でした。
スターウォーズ第1作公開時の妙な熱気が懐かしくてしょうがない私は全27話、楽しく鑑賞できました。
それでは次回まで、ごきげんよう、さようなら。
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