最近観た映画報告2021年1月(5本入)

テレビ放送の録画や、動画配信で観た映画をひと言感想付きで並べてみます。

セルフレス/覚醒した記憶

『セルフレス/覚醒した記憶』

大金持ちのお爺さんが若返りたくて、仕組みはよくわかんないけど若い肉体に意識を移すお話。
そのための若い肉体はそのために作られたクローンだか合成人間だかだと説明されるけど実は(やっぱり)そうじゃなくて、殴り合い、撃ち合いカーチェイスのアクションになっていきます。
黒幕の博士がこういうこと(年寄りの意識を若い肉体に移す)をやってる理屈が怖い。社会にとっても正しいことと信じてるし。なんかもう究極の「老害」。
若い人から何かを奪うことなく、すっきり生きてスカッと死にたいと思いました。

野獣暁に死す

『野獣暁に死す』

仲代達矢が悪役のボスを演じたマカロニウェスタン。
復讐ものですが、マカロニウェスタンとしてはあっさり気味で、ギトギトドロドロ感は希薄です。
序盤に復讐の仲間集めをするのですが、仲間が増えるたびに馬に乗って横並びで歩くというシーンがあり、そこで決まって流れる音楽が普通のマカロニじゃない西部劇の音楽みたいでちょっと力が抜けます。
やはり見所は仲代達矢で、あの、どこにいても埋もれない風貌で、ちょっと精神がアレでナニな感じの怖いボスを演じています。
長めの刃物を武器にするシーンもありました。上着の下から突然抜きます。お前今その刃物どこから出したんだよと言いたくなりました。

アバウト・タイム〜愛おしい時間について

『アバウト・タイム〜愛おしい時間について』

これは良かったです。
21歳の誕生日に、「うちの家系の男にはタイムトラベルの能力がある」と告げられた気が弱くて自分に自信がもてない主人公ティムが、その能力を使ってあれこれするお話。
タイムトラベルといっても自分の過去に行ってまた戻ってくるだけで、未来や遠い過去には行けないという縛りがあります。
で、なぜかこの能力で何をやっても世界を変えるような大きなことは起きないそうです。
自分の人生であの時ああすれば良かったこうすれば良かったを実現できる程度の地味な(地味って?)タイムトラベル能力なのです。
というわけでティムはこの能力を使って細かいことを微調整しながら生きていくことになります。
SFラブコメみたいに進行しますが、後半でもうひとつこの能力に縛りがあることが明かされるあたりになるとちょっと苦くなってきて、人生で大切なものは何か考えてしまいます。
「お兄ちゃん大好き」なティムの妹が可愛かったです。変人だけど。

張り込みプラス

『張り込みプラス』

これはダメでした。
以前感想を書いた『張り込み』の続編ですが(こちら→初見だけど懐かしい映画『張り込み』“Stakeout”を観たら)、なんかドタバタしてるだけ、って感じでした。
主人公たちの行動の目的(何がどうなればいいのか、どうなってはいけないのか)が、細かいことばかりに終始して、大きなスジと無関係に進行してました。
前作では愛おしかったベタなギャグ(滑ったり転んだり臭いところに落ちたり)が、今回は痛々しいばかりでした

サーミの血

『サーミの血』

少し前にamazonプライムビデオで見つけて気になっていたのをやっと観ました。
スウェーデンで迫害、差別されていたサーミ人の少女エレ・マリャが家族や故郷を捨て、名前を変えて都会で住むことを選ぶ、というお話です。ちょっと粗い紹介ですが、こういう映画のニュアンスは観ないと絶対伝わらないと思います。
映画の初めの方で、寄宿学校に行くのが嫌でボートの上で泣く妹のためにエレ・マリャがヨイク(サーミ人の民謡)を歌うシーンは、美しく、愛情を感じる素晴らしいものでした。
その後に起こることを考えると悲しさが増すばかりですが。

寄宿学校ではサーミ語やサーミ文化的なものは禁じられていますが、それは「人間として劣っている」サーミ人をその劣った生活から救ってあげる、という趣旨からの方針です。
同化政策を正当化する屁理屈は日本でもどこでも一方的で偽善的ですね。
最近の中国新疆でのウィグル人への迫害を思い出しました(参照 →英外相、中国がウイグル人に「おぞましい」人権侵害と非難)。

観ていて胸が痛くなるシーンばかりで、何かが解決するわけでもない映画ですが、時々はこういう映画を観て謙虚になるのも必要かな、と思いました。

映画公式サイト→映画『サーミの血』公式サイト

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