オトーは月刊スターログと #19: 1985年8月号

梅雨も明け夏本番。今年の夏は暑くなるそうですが昔の夏はどうだったんでしょうか?どうでもいいですね。でもエアコンなんかなかったあのころ。昔は良かったなんて簡単に言ってはいけませんね。というわけで「オトーは月刊スターログと」19回目はこれ。

月刊スターログ日本版NO.82:1985年8月号 定価750円

表紙

目次

この誌名ロゴは初でしょうか。定価で750円。そして創刊7周年記念号。
私の手元の月刊スターログとしては新しいほうです。32年前ですが。

ピンナップは表も裏もも『007 美しき獲物たち』のシーンからで、表のモノクロは雪山で誰か(ボンドさん?)がヘリコプターに追われてるような場面、裏のカラーはエッフェル塔からパラグライダーで飛び降りるボンドさん。遠くからエッフェル塔と写ってる絵柄の横に必死の形相のボンドさんの姿がレイアウトされてるんだけど、その切り抜きがまぁ雑。映画の中ではクライマックスなんでしょうが、裏も表も安直なデザインに感じました。

そのころSF色はやや薄かった

というわけで特集はその夏公開の映画として、『007 美しき獲物たち』『未来警察』『ランボー 怒りの脱出』『狼の血族』『レディホーク』『ファンタスティック・プラネット』『ラスト・ドラゴン』がそれぞれ2〜4ページを割いて紹介されてます。
表紙には「夏のSF映画大特集」とありますが、SF、ファンタジー、ホラーといっしょに娯楽アクション映画も同列(かそれ以上)のあつかいです。
『ラスト・ドラゴン』なんてカンフーコメディだもんなぁ。ブルース・リーを崇拝する黒人青年が最後のドラゴンになったとき体が光り輝くんだそうです。SFXも多用されているそうで、まぁそういうことです。
ちなみに『ファンタスティック・プラネット』は1973年のアニメーション映画ですが、日本で正式に公開されたのはこの時が初だったようです。
あ、あと菊池桃子主演の『テラ戦士ΨBOY』も3ページ使って紹介されていました。うち1ページは菊池桃子が宇宙空間みたいなところをビヨ〜ンって飛んでる写真。アイドル映画はSF寄りのものが多いような気がします。劇中の恋愛相手が宇宙人だったり未来人だったりアンドロイドだったり現実離れしてるとファンも「まいっか」ってなるからでしょうか。アイドル自体が現実離れしたところにポジションどりしたい存在だからSFっぽいのがいいんでしょうな。
あ!
マッドマックスもあった!
すいません。ぺージめくりながら書いてるもんで。
『マッドマックス サンダードーム』が出てきました。
マッドマックスシリーズの中ではあまり評判の良くない『サンダードーム』ですが、記事によると、「スタントマン1名スタッフ15名しか負傷していない」そうです。1作目は死人が出てるらしいですから少ないほうなんでしょう。
最近はどうか知りませんが、昔の香港映画とかオーストラリア映画の撮影は人命がとんでもなく軽視されてたって何かで読んだ覚えがあります。

 

テラ戦士ΨBOY

そのころゴジラはストーリーを公募していた

新作『ゴジラ』公開から半年あまり。東宝ではゴジラ次回作のストーリーを一般公募していました。
この号発売まえに応募は締め切られていましたが、月刊スターログでずっと特撮の記事を書いてきた池田憲章がこの号で自作の新ストーリーを披露しています。
池田ストーリーでは、天皇古墳陵で作られた結界で封印されていた悪霊生命「豪呪霊(ゴジュレ)」とゴジラが戦うというもので、池田憲章の手による絵コンテや、出渕裕描きおろし豪呪霊イラストも載っています。絵コンテには、豪呪霊が現れるとき、突風がふきすさび、黒雲がうずまき、雷が走り、山は割れ砕け、人々は驚くなどと書いてあります。特撮技術フル活用です。
豪呪霊の武器は口から吐く「エクトプラズム・ガス」。これを浴びると人もメカも石のような物質に変わってしまうそうです。これも特撮シーンが目に浮かびますね。ビュオオオオオオオオッ!カチーン!みたいな。人が石になる特撮ってけっこう厳しいのが多いような気がします。『里見八犬伝』とか。
ゴジラと豪呪霊の決戦は関ヶ原あたり。ここも「大地は裂け、海の水が逆流、マグマ吹き出し」とえらいことになってます。映画の予算もえらいことになりそうです。
最後は、豪呪霊をバラバラに引き裂いて土に還し、オカルト怪獣に勝利したゴジラですが、みずからもひん死の重傷を負い、流れ込んだ海水に流され日本海溝に帰ってゆくのでした。

前後の脚の紋様がカッコイイ!

本当のゴジラ次回作『ゴジラvsビオランテ』が公開されるのはさらに4年後の1989年。ゴジラが戦ったのはオカルト怪獣ではなくて、遺伝子操作で生まれた科学怪獣でした。
ちなみにこのゴジラーストーリー公募、私も応募してましたと小声で付け加えておきます。あははのは。

そのころジョージ・A・ロメロは

先日他界したジョージ・A・ロメロの記事がありましたので紹介します。

ゾンビ映画の鬼才ジョージ・A・ロメロ監督は82年の「クリープショウ」に次いで、スティーブン・キング原作の「ペット・セメタリー」Pet Sematary を映画化することになった。やはりローレル・エンターテイメントの製作で、夏に撮影の予定。

ロメロの『ペット・セメタリー』は実現しませんでしたが、8月号に「夏に撮影」ってあって実現しなかったということは翌年の夏に撮影予定だったのかな?
他にもロメロの劇場未公開作品『マーティン 呪われた吸血少年』の発売のお知らせもありました。字幕版VHSで¥14,800。
amazonではDVDが「出品者から買えます」扱いで、商品画像ありませんでしたが、レビューはなかなか好評価です。「呪われた吸血少年」はビデオのみにつけられたサブタイトルだったのかな?

◾️マーティンDVD

マーティン探してたらこんなDVDを見つけました。

◾️ホラー映画 パーフェクトコレクション ゾンビ の世界 DVD10枚組

ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』を含むゾンビ映画10本組で ¥2,000 切ってます。1本200円弱。さらに今ならポイントもついてお得。画質とかどーなんだって気もしますが、ゾンビ映画は廉価で大量に観るのが合ってるような気がします。頭おかしくなりそうですが。

というわけで「オトーと月刊スターログと」第19回はここまで。#20までごきげんよう!さようなら!

オトーは月刊スターログと[総目次]

blinkani

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