くとぅるふ!ふたぐん!映画『DAGON ダゴン』“H.P.LOVECRAFT’S DAGON” を観たら

H.P.ラヴクラフトの小説「インスマスの影」を現代に置き換えた映画です。原作はクトゥルフ神話の代表作ですね。

『DAGON ダゴン』

最近IT長者になったらしいポールとその恋人バーバラ、友人夫婦ハワードとヴィッキーはヨットでスペイン旅行中。ポールは悪夢にうなされて目を覚まします。海中の神殿のようなところで化け物人魚に遭遇する悪夢です。
隣で寝ていたバーバラが「またいつのも悪夢?」と、心配します。ホラー映画でよく聞くセリフですね。
この悪夢と、その後語られるポールの生い立ちが衝撃の結末の伏線になってます。
ポールはノートパソコンを開いて株価を調べようとします。“現代”の強調です(ノートパソコンがちょっと古い感じの型だと思ったら2001年の映画なんですね。Amazonプライムビデオでは「2022年」の表記になってます。何でだろ?)。

ヨットがある村の沿岸に近づくと、何だか不気味な歌声が聴こえてきた上、あっという間の悪天候。ヨットは岩礁に激突座礁、ヴィッキーは大怪我をしてしまいます。
ポールとバーバラがゴムボートで村へ助けを呼びに行きますが、ボートに穴が開くわ、その間ヨットはどんどん浸水するわでピンチの連続です。

それでも何とか上陸したポールとバーバラでしたが、不気味な村にはひと気がありません。
激しい雨の中彷徨っていると教会が。
教会の扉の上には “ダゴン秘技教団” と表示されてます。
はい。
知ってます。入っちゃダメなとこですね。

ところが二人は入ってしまいます。
なんで入っちゃうんだよ!DAGONて書いてあるじゃん!DA!
GO!N!て!
ラヴクラフトを読んでなかったんですね。読書の習慣は大事だということがここでわかります。

この後も二人は判断を誤ってばかりで、悪いことや嫌なことが次々起こります。ちょっとゲームみたいですね、そっち(悪い方)へしか行けない分岐が次々に襲ってくる。
なので観ていて退屈はしません。多くの「?」は点滅しますがすぐに次のピンチが襲ってくるので考えてる隙がありません。

で、クトゥルフ的にはどうでしょう?現代のお話にしている時点で「クトゥルフ的にはどうなの?」という評価基準をちょっと逸らしているような気はしますが、ややとっ散らかりながらも要素としては揃っていたかと思います。
実を言うとあまり期待しないで観たのですが、特殊メイクも触手アクションもありで面白かったです。
この村でダゴン信仰が始まったいきさつも、セリフの説明でなくちゃんと場面の映像で見せてくれたのも良かったです。

終盤、目を背けたくなるような残酷シーンあり、衝撃の真実ありで思ったより盛り上がります。
村のお姫様的存在の下半身触手女ウシアもなかなかいい感じ。目力すげーっていうかまつ毛が毛虫みたい。
最後の儀式で、大量のトゲトゲが突き出た変な被り物を頭に乗せて出てきますが、あれって頭も触手ウニュウニュにしたかったんじゃないかな、ゴーゴンやメデューサみたいに。と思い、そっちに寄せた絵を描いてみました。

その儀式では村人みんなで「いあ!いあ!くとぅるふ!ふたぐん!」と唱え続けるのですが、映画のエンディングもこの呪文を歌にしていて、延々聴かされます。ホント、ず〜っと、
♪いあ!いあ!くとぅるふ!ふたぐん!♪
♪いあ!いあ!くとぅるふ!ふたぐん!♪
♪いあ!いあ!くとぅるふ!ふたぐん!♪
♪いあ!いあ!くとぅるふ!ふたぐん!♪
って歌ってるの。
ダゴン信者になっちゃうかと思ったよ。

ラヴクラフトのクトゥルフ神話にはものすごく壮大なのもあるけど、「インスマスの影」は内容や長さ(文庫本で100ページくらい)も映像化しやすいような気もします。わかりやすい(嫌な)オチもありますしね。。

YouTubeにはこんなのもありました。日本語字幕とかありませんが、その分抜群の悪夢感。

「H.P. Lovecraft’s The Shadow Over Innsmouth」

あと全然関係ないけど「ラヴクラフト」ってラヴクラフトがいなかったら可愛い単語だったんじゃないかって、ゲームのタイトルとかに使われたんじゃないかって、そんなことを思いました。思っちゃったんだからしょうがない。
ヒューレットパッカードから“LOVECRAFT”ってラブリィなデザインのノートパソコンが発売されいたかもしれない。
と、くだらないことを思いつつ映画鑑賞を終えたのでした。
ラヴクラフト、クトゥルフ神話のファンなら観て、あーでもないこーでもない考えるのも楽しいのではないでしょうか。

blinksaba
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