特に虫好きというわけではではないのですが、書店で見かけてつい買ってしまいましたこの分厚い本。
分厚さと共にタイトルに惹かれました。特に『全』の文字。
「ここに虫の全てが書かれている!読みたい!虫の全て!」
でも読むほどにわかってきます。
「虫の全てを本にするなんて無理だ」

以前、ジャングルで虫を捕まえると同じ種類に見えてもどこかがちょっとだけ違う虫が大量にいたりして、虫の分類なんて不可能じゃないかって話を読んだことがあります。常に変化して適応し続けているのかも知れません、虫たち。
だから「虫の全て」を知ろうなんて人類の驕りなのでしょう。
それでも地道に研究している人たちのおかげで虫の驚異を垣間見ることができるわけです。虫の世界の貴重さも。そういうことを教えてくれる本でした。
原題『Alien Worlds』“Alien”は映画『エイリアン』に出てくるあの生物のイメージでしょう。この本では、映画のあの生物に負けないくらい奇妙な生態の虫がたくさん出てきます。本当に奇妙。何がどうなるとそんなことになるんだ?ってやつばかり紹介されます。
日常でよく見かける虫も我々が見ていないところでとんでもなく奇妙なことをしているのかも知れません。蚊とか蟻とかモンシロチョウとか。
日本語版の書名は原題と離れていますがよくできた落ち着いた書名だと思います(直訳タイトルだったら私は買わなかったかも知れません)。
原題のサブタイトルは内容の要約で、翻訳するとこんなです。
“昆虫がどのように地球を征服し、なぜ彼らの運命が私たちの未来を決定するのか”
ちょっと映画『博士の異常な愛情』のタイトルを思い出しますがそれは考えすぎですね。日本でも『たれぞが異世界行ったらどーたらがこーたらでえらいこっちゃ』みたいな内容要約(であろう)タイトルの本をたくさん見かけるが、世界的な流行なんでしょうか?
索引、参考文献を除いて本文約600ページの大物書籍(しかもA5判)。持ち歩けないので自宅読書限定で読了まで時間がかかりましたが、幸せな読書タイムでした。
写真も多く、いちいちじっくり見つめてしまいました。各種虫の外観には耐性があるつもりでしたが、「うっ!」という写真も何枚かありました。
写真は載っていませんでしたが、「クロスジヒトリ」という蛾の外観がなかなかグロテスクだというのでつい画像検索してしまい、「ウゲゲゲッ!」となりました。
虫が苦手な方もそうでない方も画像検索はやめておいてください。
日本にも普通にいるらしいですよ、クロスジヒトリ。
こんなやつと出会わないで一生を終えたいものです。
検索しちゃダメですよ。言いましたよ。
次はこれ。
紙の本で購入済みですが、Kindle版が今なら半額ですね。値段だけでなく電子版のメリットもあるのでちょっと迷いますね。結局紙の本を買うだろうけど。
あとそうそう。
シロアリってアリの仲間じゃなくてゴキブリの仲間なんですって。
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