同じ映画を映画館で複数回観ることはめったにないが、いろんな都合で『シン・ゴジラ』2回鑑賞しました。
「都合」っていうのは時間的なものやシネコンのポイント的なものと、あの世界にもう一度浸りたいという気持ちですね。
初見時は密度やスピードに圧倒されてただただ面白かったのと、終盤に向けて「よくこんな映画作ったなぁ」と思ってるうちに終わっちゃったんだけど、2回目はもう少し冷静に早口のセリフやら人間関係やらを意識して観ることができました。
おそらくもっと何度も観れば気づくことも増えると思いますが、映画館ではもういいや。あとはソフト化されてからのお楽しみにします。
で、1回目の時に気づかなかったのか、記憶に残っていなかったのが、最後の最後に映るゴジラの尻尾の先っちょの形状。
なんかこうオブジェのようになっていて、もう書いちゃうけど、人の骨みたいなミイラみたいな形のものがいくつか見えるんですね。他にも意味のある形状があったかもしれませんが、やはり人体があるとそっちに気を取られちゃう。
これはなんだ?と。
2回目の鑑賞で、1回目よりは理解を深めてエンドロールの伊福部ミュージックで幸せに浸ろうと思ってたら、最後のこれはなんだろう?と。
ずっとくっついてたのか、この人体たち?
ヤシオリ作戦の犠牲者か?引っかかっちゃったのか?
それともあそこから新しい人類が生まれるのか?なんだありゃ?
気になってしょうがない。
気になってしょうがないが、こういうこと考えるのはとっても楽しい。
答えはいらない。考えてるうちが楽しいから。
ずっと考えてたんだけど、今日NHKテレビの『日曜美術館』で、丸木位里・俊夫妻の「原爆の図」を見て、ひょっとしたらこれかな、と思いました。黒い塊に目を凝らしていくと被爆した無数の人々の顔や手や足や胴体が見えてくるあの絵。
「原爆とゴジラ」という関係ももちろんですが、番組の中で「これは集団の記憶なんだ」というような解説があって、私の中ではシン・ゴジラの尻尾の形状と通じるものを感じました。
というわけで、この高密度の映画をもっと楽しむために、高価ではありますが11月発売の『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』予約してしまいました。載ってるか、尻尾の先っちょ!
(11月は仕事で心を病んでいそうなので、この本で逃避する作戦です)
ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ
カラー、東宝
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