できるだけ早く観たいと思って、仕事帰りに行ける丸の内ピカデリーの土曜夜7時半からの回を予約したが天気予報は雨。
予定を入れるにはあいにくの天気だが相手はブレードランナー。雨の大都会での鑑賞こそ作法に則っているといえよう。
思えば前作を観たのは学生時代。当時の不規則な生活もたたって途中何度か寝てしまった。
『ブレードランナー』は、劇場公開版、ディレクターズカット版、ファイナルカット版など、たくさんのバージョンがあることで有名だが、私には「劇場スリープ短縮版」という、私だけが観たバージョンもあるのだ。えへん。どんなんだったかまったく思い出せないけど(ソフト化希望)。
で。
まぁ、普段は勝手知ったる行きつけのシネコンでお気軽に映画を観ることが多かったんだけど、このたびは慣れない都会の劇場での鑑賞。若干の緊張とともに席に着く。2階席最前列はベストチョイス。
通路をはさんだ右側の若い男女がレプリカントについて語っている。男はなんだかしゃべりだしたら止まらない感じでしゃべりまくっている。映画が始まってもしゃべってたらやだなぁ、と思ったが、映画が始まったら一言も発さなかった。集中するタイプなのね。
左側には私と同世代の、多分夫婦が座っていたが、冒頭の説明パートで「タイレル社」という文字が出たら奥さんの方が「そうそうタイレルタイレル」とつぶやいたのがなんかおかしかった。
そして160分後。映画終了。
劇場内はシーンとしてました。映画の素晴らしさに圧倒された「シーン」ではなかったと思います。映画が始まる前はあれだけしゃべっていた右側の若い男も何も言いません。
左斜め後ろの女がささやきました。
「なにこれ」
私もよくわかりませんでした。
アクションシーンが多いんだけど、アクション映画を観るかまえでいるとタイミングがずれるというか、映画が長いせいかバランスがちょっと違って戸惑う。この映画は主人公 K の “情” に寄り添って観るのがいいのかな、と気づいた時にはもう遅く、乗れないまま終わってしまった感じ。さらに言うと今回も若干「スリープ短縮版」になってしまったことをご報告申し上げます。
前作に思い入れのある人やタルコフスキーが大丈夫な人、二時間半おとなしく座っていられる人以外には薦めません。
でも私は多分ソフト買います。いろんな意味でもう一度観たいので。劇場鑑賞は一回でいいかな。160分は長くて。ケツ痛てーよ。
→ブレードランナー2049公式サイト
コメント
ふうむ。。。冷静な感想ありがとう。
周りのオヤジたちは見る前に舞い上がっちまっててさ。
元来ディックにもブレランにもシド・ミードにもそれほど入れ込まなかったオレにはなんでみんながあんなに大騒ぎするのかわかっちゃいるけど共感はできず。。。あ、でも高い城の男はちょっと好きだった。ドラマ版見ようか迷うちう。そんなことより、、
近夏放送されたアニメ『メイドインアビス』は観るべきだよ。この10年に作られたアニメの中で間違いなくベスト5に入る傑作であるとオレは思う。青春真っただ中のアヤちゃんももしまだなら必ず観てくれ。
いやぁ、終劇後あんなに静まり返った映画館は初めてかも。そこそこ入ってたと思うけど怖いくらい静かだったよ。みんな今見たものをどう受け止めてどう表現しようか考えてたんじゃないかな。
あれ、デッカードの要素を排除して、レプリカントがアイデンティティを探し求めるって話にしたらいい映画になったような気がするけど、気が向いたら「こうすりゃよかった『ブレードランナー2049』とか書こうかな。
ドラマ版『高い城の男』は面白かったよ。原作をいい具合に忘れたくらいで観るのがいいのかも。
『メイドインアビス』、amazonビデオにあったから2話くらい観たよ。緻密で奥が深そうだね。
アヤちゃんはねぇ。なにも言わずに一緒に見たけどあまり興味を示しませんでした。今はねぇ、イケメン群像アニメみたいのが大好きです、刀剣乱舞とか、アイドルグループものとか。「推し」を選ぶのが楽しみの一つなのかな。えへへ。