大人気刑事映画シリーズ第4弾!監督はクリント・イーストウッド!やりたいほーだいっつーかなんつーか、最後まで自分勝手だハリー・キャラハン!
1983年のこの映画、ラロ・シフリンの軽快な音楽のオープニングクレジットから始まります。
ラロ・シフリン。『燃えよドラゴン』の音楽の人ですね。
オープニングが終わると、それまでの軽快さと打って変わって、夜明け(たぶん)の海辺に一台の乗用車が停められているちょっと暗鬱なシーンになります。
はは〜ん、これは車の中に謎の死体があるに違いない。
と思ったらそうではなく、車内でカップルが静かにイチャイチャしてました。
はは〜ん、これは突然現れた目出し帽の男にカップルごと殺されるに違いない。
と思ったらそうではなく、イチャイチャしながら女が拳銃を取り出し、銃声二発(ここは車の外からの映像)。
ハイヒールを履いた女が車から降りて歩き出しました。
どこまで行くのかわかりませんが、帰りは歩きです。
場面変わって裁判所の法廷シーン。
ハリーが逮捕した悪い奴の裁判が始まりますが、証拠を違法に手に入れたという理由で裁判は不成立。あっという間に終わってしまいます。
その後検事補という人に、
「直感だけに頼った逮捕は許されん」
とか諭されてます。
私も許されんと思います。
この後ハリーの強引さがわかる小事件がいくつかあって、ハリーは冒頭の殺人事件に関わってゆくことになります。
悪い奴はぶっ殺しちゃえばいいんだよ、こまけーことは気にすんな、という映画です。
ドナルド・トランプの支持者ってこういう映画好きなんじゃないかなぁと、観ていてちょっと思いました。
ハリーは美女(ソンドラ・ロック)にこんなこと言われます。
「あなたみたいな人がまだいたのね」
トランプ支持者ってこういうこと言われたい(もしくは言いたい)んじゃないかって気がしました。
世間のルールより俺のルールで突っ走るハリー・キャラハンにガッチリ感情移入しそうです。
でも大半はおそらく犯人がわの人間像に近いと思いますが。
クライマックス、絶体絶命の美女(ソンドラ・ロック)を救いにハリーが現れます。
遊園地の明かりで逆光、右手には新しい武器、弾丸重量300グレインの44オートマグ。
「グレイン」がどういう意味か知らなくてもカッコいいことはわかる場面でした。
が。
そのかっこいいシーンのBGMが「カマキラスのテーマ」にちょっぴり似てて、カマキラスの操演が頭をよぎった私の中ではちょっとカッコよさが割引になってしまいました。
「ダーティーハリーシリーズ」、何作あるのかなと調べたら「5」までみたいですね。
原題にDirty Harryとあるのは一作目だけで、以降はそれぞれタイトルが付けられています。
この「4」の原題は“Sudden Impact”。
なんでしょう?突然の衝撃、かな?
そういえばいきなり殴ったり殴られたり撃ったり撃たれたりのシーンがたくさんありました。
結末も、
「それいいのかよハリー」
なことをしますが、フィクションならいいんだよ。
でも現実の生き方のお手本にしちゃいかんよ、支持者のみなさん。
映画と全然関係ありませんが、今回は、以前NHKで放送されたものの録画で鑑賞しました。
ところが、途中で「やや大きな地震」があったそうで、しばらく画面の下三分の一くらいに大きな表示が出ていました。
映像はさえぎられ、字幕も見えず、「アタック25かよ」と思いながら想像で補っていました。
津波の心配はありませんでした。
何ヶ月も前の地震ですがホッとしたことを付け加えて今回の映画感想を終えたいと思います。
それではみなさんごきげんよう。