質問サイト「Quora」での質問「多くの人が見逃している最高のSF映画は何ですか?」
の答えの一つ『プロスペクト』がAmazonプライムビデオにあったので鑑賞しました。
航路が廃線になるため最終便となった恒星間輸送宇宙船に乗った父娘が、ある貴重な宝石(生物から採れる真珠みたいなもの)の採取のために危険な惑星(の衛星?)に降り立ちます。
時間以内に輸送船に戻らないと汚染されて呼吸もままならない惑星に置き去りです。
でもどうしてもお金が必要なんです。父デイモンと娘シーには。
シーは16歳くらいかなぁ。ソフィー・タッチャーという人。美少女ですね。この映画がデビュー作だそうです。2000年生まれだから映画公開時に18歳だったということですね。
世界観的なものもストーリー的なものも映像的にも全部を見せることなく、積み重なっていく感じです。覗き穴から見せられているようなジリジリする感覚。ずっとその手法。部分的にしか見せてくれない。
ドラマ的にはしっかり者の娘とダメな父親ものかと思って観ていたら途中でガラッと変わっちゃいました。
先が読めない展開だらけで、ストーリー的にはそれが全てかも。
2019年のアメリカ映画ですが、懐かしい感じがしました。80年代くらいの、CGが地味だった頃の手触り感みたいのがありました。
宇宙船の操縦席にはちっこいモニターが並んでいてスイッチ類も指でバチンバチンしたりつまみをぐるっと回したりする方式。なんかすごくいいです。ホッとします。
宇宙服からチューブが伸びてます。大事だと思います。
みんな宇宙服を着ていますが、デザインはそれぞれで統一感がありません。いろんな映画の小道具をかき集めたようにも見えますが、混沌とした、制御されていない世界観に合っていて良かったです。
あと、アメリカ映画というより、なんかロシアとか北欧とかそっちの映画の雰囲気のようにも思えました。うまく説明できないんですが。
原作のSF小説とかありそうな気もしましたが特にそういう情報は見当たりませんでした。どうなんでしょう。
短編のSF小説とか『エイリアン』のノストロモ号の生活感とか好きな人にはオススメだと思います。
Prospectというのは「見通し」とか「期待」という意味だそうですが、この映画に合う日本語だと「皮算用」でしょうか。
「SF映画『皮算用』」。ほら、観たくなるでしょ?
私は吹替版で鑑賞しましたが、字幕版の方が雰囲気的に合ってるかなぁ、と思いました。