というわけで「特捜部Qシリーズ」3作目、『Pからのメッセージ』を読みました。Kindle Unlimited 対象の時に借りたものです(現在は対象から外れています)。
QだのPだのオバケの兄妹かよ。
って映画の感想書いたときに言ってそうだな、と思って調べたらやっぱり言ってました( →神様、神様はいるのですか?映画『特捜部Q:Pからのメッセージ』を観たら)
成長しないにも程があります。
で。
例によって映画版の記憶はほとんど喪われているわけですが、それでも前2作に増して映画版と印象が違っているように思えました。
原作の長さを考えたら当然だし、映画と小説ではシリーズ化のキモみたいのが違うのかな、とも思いました。
主人公の刑事カールは、映画版では身も心もズタボロの傷だらけになってますが、小説版だとそこまでじゃない。映画版には無い荷物をいくつも抱えてはいますが。
「過去の未解決事件を調べているうちに現在進行中の事件に辿り着き、解決する」というファーマットは映画も原作小説も同じです。
今回は連続誘拐殺人事件。
でも、過去の事件もその後に続いた事件も現在進行中の事件も「事件」として発覚していません。
犯人のターゲット選びや後始末が巧妙で邪悪だからです。
狙われるのは、
・家族でカルト宗教の信者
・兄弟がたくさんいる(最低でも3人以上)
という条件に当てはまる子供たち。
犯人は必ず2人誘拐して、身代金を手に入れると1人殺して1人だけ生きて返します。
なぜでしょう?
そこが犯人の邪悪なところ。被害者家族は子供を1人失い、その後の人生もめちゃくちゃにされます。ホント悪い奴だこいつ。
そんな巧妙な犯人ですが、「Pからのメッセージ」を受け取った特捜部Qが追い詰めていきます。
ただ、犯人はメッセージのことを知らないので自分が追われているなど想像もせず現在の計画を進め、Qは現在進行中の事件が起きていることを知らずに捜査を始めます。
それどころか例によって「これ事件か?」あたりからスタートするので読者はやきもきしちゃいます。
特捜部Qが現在進行中の事件の可能性に気づき、犯人が追われていることに気づいてくるとどんどん緊張が高まっていきます。
犯人とカールがお互い気づかないままニアミスしたりとかヒリヒリするシーンもありますが、結末はちょっとあっさりしているように思えました。
このシリーズ、悲惨な事件が結末を迎えた後(死ぬやつは死んで生き残るやつは生き残った後)、最後にちょっといいシーンをエピローグとして付け加えるのもフォーマットになっているようですが、今回のはちょっと長すぎたような気がします。
少し手前で伏線張っといて、最後はスパッと短く決めてくれたらよかったのにな、と思いました。
だってほら、「きっとこうなるんだろうな」ってだいたいわかっている結末まで長々と読まされても、ねぇ。
映画版こちら →特捜部Q Pからのメッセージ(amazonプライムビデオ字幕版)
そんなわけで次は第4弾『特捜部Q ―カルテ番号64―』。
ですが。
そんなにQQQQ読んでても偏った人生になってしまいますので、今はこれ読んでるとこです。