家族には大秘密!映画『最初の晩餐』を観たら

BS松竹東急の「よる8銀座シネマ」で録画していた『最初の晩餐』を鑑賞。全く知りませんでしたが番組紹介を見て録画してました。面白かったです。

アマプラ リンク→最初の晩餐

もうすぐ65歳だった父親が死に、通夜のため東京から九州へ帰ってきた麟太郎(染谷将太)と姉の美也子(戸田恵梨香)は久しぶりに顔を合わせ、二人で不味いラーメンを食べます。
麟太郎は真面目そうな外見ですがなんだかやさぐれた感じです。そして田舎をバカにしてる感じでもあります。カメラマンの仕事がうまく行かず、それもあって彼女ともギクシャクしているということが徐々にわかってきます。

通夜が始まりますが仕出し屋から通夜の料理が届きません。姉美也子がキレ気味に電話で問いただしますが、どうやら母アキコ(斉藤由貴)がキャンセルしたと判明。
静かな「あんた何考えてんの?」コールの中、アキコは「料理は自分が作る」と台所に立ちます。
そして出てきたのは亡くなった父親が家族に作った思い出の料理の数々でした。

料理一品ごとに麟太郎か美也子が思い出を語る、という形式で話は進みます。
その過程で父日登志(永瀬正敏)とアキコは再婚で、アキコには美也子より年上のシュン(楽駆)という連れ子がいたことがわかってきます(通夜にシュンの姿はありません)。
そんな事情のある家だったのです。
それがわかる前にも親戚のおじさんが「普通の家庭じゃないんだから」みたいなことを言ってましたがそういうことだったのです。

家族の思い出が次々に語られ、ギクシャクしていた五人が触れたところから少しずつ溶け合うように、徐々に家族らしくなってゆく微笑ましい場面が続きます。
が、終盤、不穏な、というか「家族の秘密」みたいな領域に踏み込んでいきます。何があったの?
この家族には、っていうかこの夫婦にはとても重い秘密があったのです。

重い秘密が明らかにされ、ずんと重い雰囲気になりますが、翌日には晴れた空の下、昨晩出された父の料理の「何それ?」な秘密が明らかにされたり、他にもいくつかの出来事があり、明るい感じで映画は終わります。最後、ちょっと笑いました。ちょっと。

斉藤由貴の感情を抑えに抑えてる感じとか、染谷将太のややだらしなく見える体型とかも良かったですが、険がありながらも丸いとこ見せる戸田恵梨香が良かったです。気の強い姉ちゃんやらせたら日本一じゃないでしょうか。

「日本映画は」という大きな括りでダメだとか面白くないとかいう言葉を時々目にしますが、十分面白かったですこの映画。
派手な大事件が起きる大作じゃなくてもこういうの(家族にとっては大事件だけど世間様には些事)でいいじゃん、と思いましたが、自分を顧みると、これを観るために映画館へは行かないだろうなぁ、とも思いました。
テレビ放送や配信だったら地味に鑑賞しますけどね。

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