シンギュラリティ特撮最終回#12『大鉄人17』

特撮最終回

1977年放送の『大鉄人17』、私が15歳、中学3年生の時です。初めの1話か2話あたりを観て、面白そうだな、と思ったのですが、放送時間の関係か、15歳という年齢のためか、それっきり観ませんでした。
ただ、1977年というとアメリカで『スターウォーズ』が公開された年であり、日本では『宇宙戦艦ヤマト』ブームがあったり、『無敵超人ザンボット3』が放送された年でもあります。

子供のころから怪獣やロボット、いい宇宙人、悪い宇宙人に親しんできた層が、そういうものから離れられなくなったというか離れなくていいことになってズルズル引きずり込まれていった時期ですね。
この『大鉄人17』も、人類のために作られた巨大電子頭脳ブレインが自我を持ち、人類こそ地球環境の敵であると結論して攻撃を開始。ところが人類攻撃の兵器として作った巨大ロボ17(ワンセブン)がこれまた自我を持ち、ブレインの攻撃で家族を皆殺しにされた南三郎少年との間に芽生えた友情を育みつつ、ブレインとその組織ブレイン党と戦ってゆく、という、今でいうシンギュラリティを越えちゃったような設定。

今回amazonプライムビデオで全話鑑賞しましたが、人類側の防衛組織であるレッドマフラー隊の装備が自衛隊っぽかったり、初代隊長が最初のエピソードで殉職したり、2代目隊長が妥協を許さない厳しい性格だったりとこちらもなかなかハード。
ただし、ハード・シリアス路線だけにちょっとしたところが気になったりもするのですが。三郎君が突然子供みたいな(中一という設定だけど)行動でピンチに陥ったり。
でも敵ロボたちは、空飛ぶ戦艦型だったり、巨大砲塔型だったり、道路工事で地面を固めるあれ型だったりと、機能むき出しの無骨デザインでハードな雰囲気にマッチしてたと思います。

この路線で通せば、特撮分野での『ヤマト』『ザンボット3』に(われわれ世代をズルズル引きずり込む存在に)、なっていたかもしれませんが、おもちゃが売れなかったのか、もっと他の理由なのか、16話か17話あたりで突然の路線変更。
今まで謎が多く神秘的存在だったワンセブンが突然喋り出したり、ギャグ担当の新キャラ、柔道四段・空手四段・浪人四年のガンテツとかいうのが現れて、なんかもういろいろ台無しになっていくのを呆然と見守るばかりでした。

路線変更後にワンセブンの弟ロボ18(ワンエイト)が登場し、本来ならいくらでも燃える展開が期待されるところなのですが、2体が延々会話するシーンは、シュールな“巨大兄弟ロボ漫才” にしか見えませんでした。
低年齢層向けの路線変更にしてはガンテツのキャラは子どもに受けそうに見えないし、1エピソードを2話に分ける構成はそのままだし、ちょっと理解しづらいものでした。


ただ、終盤は、人類側が新しい巨大電子頭脳ビッグエンゼルを作り、ブレインに対抗してゆくという、おそらく初期路線にあったであろう展開になり、盛り上がって行きます。
おかげでガンテツの言動のイカれ具合が一層強調されちゃいましたが。調べたらガンテツ役の俳優は映画『ドカベン』で岩鬼を演ってた人だそうです。道理で。そう聞くと岩鬼まんまだ、ガンテツ。ハード・シリアス路線に岩鬼が迷い混んじゃったと、そういうわけですね。

最終1話前では、南三郎君がブレイン党に誘拐され、ブレイン基地に監禁されます。ワンセブンをブレイン基地におびき寄せ、倒すためです。
ブレイン基地周辺には、ブレインの影響力が強くなるブレインエリアがあって、ワンセブンがそこに入るとプログラムを書き換えられて悪のロボットになってしまうのです。
そのためワンセブンは出動を拒否していましたが、三郎のピンチについにブレイン基地に向かって飛び立ちます。ブレインエリアのことなど知らないままワンセブンに三郎救出を懇願していたルミちゃん(博士の娘・島田歌穂)とガンテツに「サヨナラ」の言葉を残して…。(って文字で起こすとなかなかハードで燃える展開ですな)

『大鉄人17』最終回(第35話)「さらばワンセブン 不滅のナンバー」

 

自分の危険も顧みずブレイン基地に飛来したワンセブン。ブレインエリアの直前で着陸。それを迎え撃つ恐竜型ロボットゴールドネッシー。
火炎攻撃でワンセブンを転倒させ、足を掴んでブレインエリアに引きずり込もうとする。四足歩行だと思ったらなかなか器用なやつ。
ワンセブンがやって来たので囮としての役目がなくなった三郎少年は、ワンセブンとゴールドネッシーの闘いが見える野外で銃殺寸前。
ピンチのワンセブンの姿も丸見えだ。それを見たブレイン党員、銃口を三郎に向け、

「お前も一緒に始末してやる。かまえ!」

三郎絶体絶命!覚悟を決めて目を閉じる三郎少年。

「撃て!」

しかし!
ブレイン党員の射撃より早く銃声が鳴り響く。崩れ落ちるブレイン党員。
レッドマフラー隊の剣持隊長、佐原博士、ついでにガンテツがジープで救出に駆けつけたのだ!それじゃあなにしに来たんだワンセブン!死ぬか生きるかワンセブン!
三郎救出には成功したが、ワンセブンのピンチは続く。じりじりとブレインエリアに引きずり込まれるワンセブン。

「ケーコクケーコク、ブレインエリアニセッキン。アブナイアブナイ」

ワンセブンの体内では修理その他雑用担当ロボ、ロボターが両手を振り回してあわてている。

引きずられていたワンセブンだが、手首から発射ミサイルで反撃、なんとか立ち上がった。

「グラビト〜ン」

ワンセブンの必殺技グラビトン攻撃に、ゴールドネッシーはくどいほど爆発を繰り返し消え去った。
しかしそこはすでにブレインエリア。
機械頭脳ブレインが不気味につぶやく。

「ふっふっふ。入ったなワンセブン」

山が光り、飛び出した何本ものケーブルがワンセブンの体を拘束してゆく。
動きを止めるワンセブン。機能停止してしまったのだ。

「三郎君の声にワンセブンが反応するか確かめてみよう」

佐原博士の提案に、ワンセブンに近づいて叫ぶ三郎。あ、でも、

「ワンセブン!どうした!聴こえないのかぁ!」

反応なし、だけど三郎君…、

「ワンセブン!僕の声が聴こえないのかぁ!」

沈黙。でも三郎君、ワンセブンと会話するときのいつものヘルメットかぶってないじゃん。三郎君の脳波にだけ反応するってあれ!かぶってないじゃん!

「よし。中に入って調べてやる」

誰もヘルメット忘れに気づかないまま三郎はワンセブンの体内へ入ろうとするが、そこへ飛来したハスラー教授のハスラー要塞の爆撃で阻止される。
レッドマフラー隊を撃退したハスラー教授はブレイン基地に戻り、ブレインからワンセブンのプログラムを書き換えるアイテムを与えられる(なんか文字が書き込まれた金属板)。

「へへへへー。これをワンセブンのおつむのコンピューターにセットすればオーケーだ。ハハァ〜ン、ハッハハハハハァ」

勝利を目前にしてテンション上がったのか変なステップを踏むハスラー教授(演:大月ウルフ)。
一方そのころ。緊縛されたままのワンセブンを置き去りに基地へ帰還したレッドマフラー隊御一行さま。重苦しい雰囲気の中、ワンセブン救出の方法をビッグエンゼルの演算能力に託します。ビッグエンゼルがその能力をフルに使って出した答えを佐原教授が読み上げます、

「ワンセブンの救出は、…ブレインの破壊のみ」

いや、そりゃそうだけどさぁ。
AIビッグエンゼルがまだ人間を越えてはいなかったことがあきらかになったそのころ、ハスラー教授はワンセブンの体内に入ろうとしていた。勝負も大詰めというのに敵も味方もなんかのん気だ。
しかし。ワンセブン体内のエレベーターに搭乗、降りたと思ったらそこはワンセブンの外だった。不思議な迷路構造。
そこへレッドマフラーの飛行隊接近を知らせに来るブレイン党員。
ブレイン基地を爆撃する飛行隊。ブレイン基地には対空攻撃の設備は無いようで空爆されるまま。と思いきや、山が二つに割れ、巨大なブレインの本体が現れた。その一部が光ったと思うと飛行隊は端から撃墜され、危険を感じた残りの飛行隊も攻撃を中止した。
ハスラー要塞も出動し、東京攻撃に向かう。
『大鉄人17』

●ここでコマーシャル



大鉄人17 MUSIC COLLECTION Soundtrack


超合金 GD-17 超絶自動変形 大鉄人17

 

 
大鉄人17 ワンセブン アクションフィギュア 約300mm ABS&ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア

 

ハスラー不在の隙をついてワンセブンの体内の入る三郎。
そこには機能を回復したロボターが。
ワンセブンはブレインエリアに入った時、自分で機能を止めてブレインに支配されるのを防いだのだ。
ロボターが三郎を案内したのはワンセブンの操縦席。どうやら目の裏側あたりのようだ。
操縦席に座る三郎。レバーを倒したり起こしたり、スイッチをひねっているとワンセブンが再起動。ブレインの拘束を破壊して自由の身に。
一旦地中に戻るブレイン。

一方東京はハスラー要塞の攻撃を受けていた。
爆発するビル。爆発する高速道路。逃げ惑う一般市民。そしてレッドマフラー隊基地も爆撃される。避難する隊員たち。
そこへ現れる三郎操縦のワンセブン。ハスラー要塞を空中でキャッチ、叩きつけて破壊。教授もろとも大爆発するハスラー要塞。

そこへ現れるブレイン本体。このままではブレインの攻撃で人類は破滅だ。どうすればいいんだ?その時、高速演算で高熱を発しながらビッグエンゼルが答えを出した。
研究員がそれを剣持隊長に伝える。

「ビッグエンゼルが答えを出しました!“ワンセブンサブロウ、ワンセブンサブロウ”」

剣持が佐原博士に伝える。

「ワンセブンサブロウ、ワンセブンサブロウ」

それを聞いた佐原博士。

「ワンセブンサブロウ、ワンセブンサブロウ」

なんだそりゃ?

三郎がワンセブンに尋ねる

「一体どうすればブレインを破壊できるんだ?」

「サブロウクン、ビッグエンゼルノコタエデハキミモシヌ。ワンセブンデキナイ」

AIどうしは意思の疎通が出来ているようだ。でも三郎も死ぬ?
全世界を守れるなら死んでもいいと答えを求める三郎。立派になった。

「ブレインヲタオスニハタイアタリイガイニナイ」

今は三郎の操縦なしには動けないワンセブン。ワンセブンが体当たりするには三郎の操縦が必要なのだ。
両親や姉の仇を取りたいとワンセブンを説得する三郎。

「ワンセブンワカッタ。キュウジョウショウダ!」

地上で見守るレッドマフラー隊。
ブレインもワンセブンを説得にかかる。

「ワンセブン、ブレインに従うのだ。ブレインの大目的を遂げさせるのだ。機械文明に地球は滅びる。すべての文明を地上から消さねばならないのだ」

ワンセブンの動きに体当たりの意図に気付いた剣持隊長が必死で止めるがワンセブンは急降下に入る。

「サヨウナラサブロウクン」

「なんだって?ワンセブン、どういう意味だ!?」

「サヨナラ」

三郎を突き飛ばすロボター。いきなりワンセブンの外に投げ出される三郎。ワンセブンの不思議な迷路構造が起動したに違いない。
パラシュート降下する三郎。

「サヨウナラ!サブロウクゥン!」

回転しながらブレイン本体に突っ込むワンセブン。
連鎖する大爆発。大キノコ雲。同時にビッグエンゼルも無理な稼働がたたって大爆発。

「ブレインの最期だ」

佐原博士がつぶやく。
剣持隊長が言葉を継ぐ、

「そして、ワンセブンの」

三郎の足元にあのヘルメットが転がってくる。拾い上げ装着する三郎。

「大鉄人17。僕は、君の名を決して忘れない」

「そうだとも。ワンセブンの名は深く誰の胸にも刻みこまれるだろう」(佐原博士)

「ワンセブンは、不滅のナンバーや」(ガンテツ)

「ワンセブゥゥゥ〜〜ン!ワンセブゥゥゥ〜〜ン」(三郎)

おわり

ジャイアントロボ同様自己犠牲結末でしたね。途中で路線変更があったと書きましたが、最終回は元の路線にかなり戻したのではないでしょうか。ブレイン、ワンセブン、ビッグエンゼルという高機能電子頭脳が全て破壊されるという結末は何か考えさせられることがあるようにも思えますが、よくわかりません。
映画『ターミネーター2』で自分の頭を指差し、自ら溶鉱炉へ身を投じるT-800を思い出しますが、特にそんなメッセージ性は無くて、ただもうおしまいだからみんなぶっ壊しちゃえってなったのかもしれません。

それでは今回はここまで。次回までごきげんよう!さようなら!サヨウナラ!サブロウクゥン!

→[特撮最終回総目次]

 

 

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