猫娘のデザイン以外、絵的には手堅い感じでありながら、アクションシーンや怖いシーンの演出は凝っていて、気づいたら毎週のお楽しみになっていた新作『ゲゲゲの鬼太郎』。
ストーリー的にも、部分的ですが攻めてきました第13話。

ねずみ男がなんかやらかす回は風刺的内容のものが多いのですが、今回も風刺でした。前半は。
欲の深い人間がねずみ男にだまされて妖怪の犠牲になるってパターン。
その前に鬼太郎と絶交したりとかありますが、その時は「またなんかやらかしてるな」の前振りくらいの扱い。

この後、

風刺→社会派→ゆるい友情話→懲りないねずみ男(すべては元どおり)

という展開になります。
具体的には(内容を話しちゃいますが)、

輪入道は人間の魂を食う→魂を吸い出すときに人間をダイヤモンドに変えてしまう→そのダイヤモンドを安売りしてねずみ男が大儲け→ダイヤモンドの原料となる人間を輪入道がいる洞窟に連れ込んでダイヤモンドを生産し続ける。

ねずみ男が輪入道のところに連れて行くのはもっとダイヤモンドが欲しいという欲を持った人間たち。
問題はその後で、ねずみ男のおかげでダイヤモンドの相場が下がって迷惑してる裏社会の人たちが出てきて、ねずみ男を誘拐して真相を聞き出します。
じゃあもっと人間を原料にしてダイヤモンドを作って世界のダイヤモンド市場を支配してやろう、みたいな話になります。
ねずみ男はそんなにたくさんの人間は手配できないよ、みたいなことを言うんですが、裏社会は、貧民街で親に売られた子供や難民を世界中から連れてくりゃいいだろとか言い出します。
ここでねずみ男が「さすがにそれは…」とか言うんですが、ねずみ男にはねずみ男なりのやっていいことと悪いことの基準があるようです。

で、裏社会の人たちは、本当に難民やら売られた子供やらを連れてきちゃうんですね、コンテナに詰め込んで。
前半は、欲張るとひどい目にあうよ、みたいな話だったのに、なんだかリアルな社会派ドラマみたいな展開。逃げようとした難民を銃で撃ったりします。
ねずみ男が、あまりにひどいやり方を見せられて、それで改心するかというとそんなことはなく、もっともっと人間の魂を喰わせろと輪入道が暴走を始めたところでやっと鬼太郎に嘘の手紙を書いて事態の収拾をはかります。
ここで、絶交した鬼太郎が嘘の手紙でだまされたような顔で助けに来るんだけど、もっとわざとらしく嘘の手紙にだまされた演技とかすれば笑えたのにな、と思いました。が、とにかく苦戦しながらも輪入道を退治、喰われていた魂はみんなに戻ってめでたしめでたし(やや「あれ?」って気もしますが、突っ込まないことにします)。
で、友情的なものは戻ったけど、ねずみ男は新しい金儲けを始めていましたとさ、ってところでおしまい。

最初にも書きましたが、ねずみ男エピソードは風刺的内容が多いのですが、今回は、親に売られた子とか、難民とかを妖怪の餌として日本に連れてきてるとこがなんか怖いです。一線を超えちゃった感じで。
アニメにはその場面はありませんでしたが、あちこちの国でどうやってその人たちを集めてたのかと思うと怖くなります。発展途上国を食い物にする先進諸国とか、経済効率を最優先で追求するグローバル企業への抗議のようにも取れる展開をぶっ込んできた第13話。最後はゆるいお約束の結末にすることでシリーズの進行を整えたのでしょうか。


blinkjitu