史上最強決定!劇画『子連れ狼』を読んだら

しとしとぴっちゃんとか、ちゃん!、とか、ちゃんの仕事は刺客ぞなとか、大五郎は「まだみっつ」とか、ドラマ主題歌からの情報の他はボンカレーのコマーシャルくらいしか知らない『子連れ狼』でしたが。
BSで放送された若山富三郎主演の映画版を観て、
「なんだこりゃすごいぞ」と。
「こりゃ原作も読みたいぞ」と。

都合よくKindle Unlimited 対象になっていたので読みました。
『子連れ狼』全142話。
Amazon Kindle「大合本版」で全10巻。通常の単行本で全28巻。読み応え充分。充分すぎるほど充分。

子連れ狼 大合本 1 子を貸し腕貸しつかまつる

子連れ狼 大合本 10 守りて候

もうなんていうか強い。強すぎる元公儀介錯人拝一刀。そして息子大五郎(まだみっつ)。
映画版を観た時は
「なんだこりゃ、映画だから盛ってんだろ」
と思っていましたが、しっかり原作を(ほぼ)なぞってました。
なんすかね、時代劇に詳しいわけではありませんが、時代劇史上最強ではないっでしょうか拝一刀。
裏柳生の総帥柳生烈堂の「それ卑怯だろ」みたいな物量攻撃を次々に打ち破っていきます。
そもそも卑劣な手段で拝一刀を失脚させた柳生烈堂。復讐を恐れて拝一刀とその一子大五郎を殺すためならなんでもやります。
手下を何百人も差し向けますがみんなやられてしまします。
自分の子供たちも差し向けては殺され差し向けては殺されの繰り返しです。子供たくさんいます柳生烈堂。

終盤になると武士としてはどうかと思えるような毒殺も企てます。
そんなふうになりふり構わなくなっていく烈堂に対し、「冥府魔道に生きる」とか言いながら武士道、そして人の情を護る拝一刀。人間としての勝敗はすでに決まっています。
武士道も人の情も、生き残るための枷になりますが、枷を捨てずに全て切り抜けていきます拝一刀と息子大五郎(まだみっつ)。

そんな拝一刀を見続けていた烈堂。終盤では拝一刀の生き方に心が寄っていきます。
大五郎と烈堂にも心の交流が生じたりします。
それまで「なんだよ烈堂、卑怯なことしても負けっぱなしじゃねぇか」とか思いながら読んでいましたが、終盤はそんなことどうでもよくなりました。
烈堂のピンチにハラハラしてなんとか助かって欲しくなります。
なんかすげー、物語の力って。

そして最後の対決。
長い物語のクライマックス。
すげーすげー絵がすげー。
そこまでもこりゃすごいと思いながら読んできましたが、物語の凄さと絵の凄さがぐりんぐりん螺旋を描いて迫ってくる。

というわけで、長丁場でしたが読んでよかったです。映画化やドラマ化されるわけです。面白いもん(ドラマ版は観たことありませんが)。

子連れ狼 大合本 10 守りて候

映画版は全6作となっています。

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