こないだの『クロユリ団地』につづき、引っ越しから始まってひどい目にあう映画(→映画『クロユリ団地』を観たよ)。
そういえば引っ越しから始まる映画やドラマって結構あるような気がしてきた。
『となりのトトロ』とか。
『千と千尋の神隠し』とか。
『宇宙家族ロビンソン』とか。
立ち上がりから動きを感じさせられるし、登場人物が自分の過去や今の状況を語ったり、将来への不安や希望を表明するのをワンセットで観せても不自然にならないからね。しかも初めての環境に入っていく不安感や期待で、観ている人に感情移入させやすいしね。物語のはじめ方として便利なんだね、きっと。
で、『パニック・ルーム』。
引っ越しから入って、扉をはさんで「中に入れろ」だ、「いや入れない」だの言いあうところも『クロユリ団地』との共通点と言える。『クロユリ団地』はもういいって。
こっちに出てくるのは悪霊じゃなくて遺産目当ての犯罪者なんだけど、最初っから計画に対する温度差があって仲間割れ必至。
反対に、はじめはすれ違って反目している(そんなに強くじゃないけど)主人公母娘は結束してゆく。母ジョディ・フォスターも、引っ越した夜は酒を飲みすぎたり、ちょっぴり泣いちゃったりしてるけど、侵入者が現れてからは強く大胆に行動し始める。
大きな脅威にさらされると小さな反感や哀しみは吹っ飛んじゃって本質があらわれるんだね。
という母娘と犯人たちの間であれやこれやあるんだけど、最後の犯人の末路は昔の犯罪映画のような哀感があったな。
監督:デヴィッド・フィンチャー 出演:ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー(どう見てもいいひと顔)、2002年公開のアメリカ映画。2002年の映画は他に『スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』、『ロード・オブ・ザ・リング』、『ハリー・ポッターと賢者の石』と、シリーズもののSFやファンタジー映画の大作が並んでるね。そんな中では貴重な一作だったのでは。
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