燃えろオレのチューガク魂!そしてヒゲなしレイノルズ!『ロンゲストヤード(The Longest Yard)』を観たよ

1974年のアメリカ映画。日本公開は翌1975年ということなので、私が中学一年生の時。劇場で観て、大好きな映画になりました。

今観ると、まあ中学生にドンピシャな映画。
主人公は破天荒で(なんて言葉を当時知ってたか疑問だが)、でもなんらかの能力に長けていて(この映画ではアメリカンフットボールの元スタープレイヤー)、仲間思いだが権力に反抗的でひどい目にあう。だけどめげずに大逆転。好きになるわけだ。
読んだことないけどヤンキー漫画の主人公とかこういうんだろうな。チューガク魂にどストライク。廃れないわけだヤンキー漫画。読んだことないけどさ。

ストーリーは、元フットボール選手が、破天荒な行動の末、刑務所に入れられ、そこの所長の思惑で囚人のフットボールチームを作らされ、看守チームと試合する、というもの。その間にいろんなことが起こるよって話(当たり前か)なんだけど、権力者(所長とか看守たち)の卑劣な行為などもあり、人が死んだりもするが、全体には明るくて、各エピソードや、登場人物の行動の動機もわかりやすくて、娯楽としてよくできるなぁと思った。中学生当時も今もフットボールのルールはよく知らないが、関係なく楽しめる。試合中もプロレスみたいなシーン(審判の目を盗んでメリケンサックで殴ったりとか)が挟み込まれるので退屈しない。 
ただ、こちらが大人になったからか、それとも映画のリズムとか見せ方が変わったからか、なんか当時より各エピソードがあっさり進んでるように感じる。粗っぽいっちゃー粗っぽい。でもそれで全体の構造を保ってるんだな、とも思う。

今はよくできた娯楽フィクションと思って観てるけど、中学生の時は完全に物語に入り込んでたんだろうなぁ。自分もレイノルズと一緒に横暴な看守や刑務所の所長と戦ってる気持ちになってたんだなぁ。よかったなぁ、あの頃。
でも、こういう映画(やヤンキー漫画)が面白かったからといって、その価値観を現実の自分に染み込ませちゃうとまともな大人にはなれないような気がする。まともな大人になれなかった私が言うんだから間違いない。
フィクションのカタルシスは精神的には麻酔のように作用することがあるから要注意だぞ。

主人公のフットボールの元スター選手ポール・クルー役は、ヒゲがトレードマークのバート・レイノルズがヒゲを剃って熱演。ヒゲは刑務所に入る時に剃られちゃうんだけど、他の囚人の中にはヒゲを伸ばしてるやつもいたから絶対剃られるって規則ではないのかもしれない。
あと、でかくて有名なリチャード・キールがでかい男の役で出てたよ。でかかったよ。試合前にヘルメットを受け取るシーンがあるんだけど、どう見てもかぶれなそうなのに無理に頭を押し込もうとしてて面白かったよ。
それと、名前は知らないけど空手の得意な凶悪なハゲとかも面白いキャラクターだったなぁ(今調べたらロバート・ テシアという俳優でした)。

そうそう、アメリカの刑務所にはなんでも調達できる「便利屋」がいるというのを初めて知ったのもこの映画でしたな。

監督はロバート・アルドリッチ。
他のロバート・アルドリッチ監督作品というと、『燃える戦場 』『ワイルド・アパッチ』『北国の帝王』。男くせー。汗と血と鉄の臭いが漂ってくるよ。
こういう男臭い映画が好きだったのに、何年後かには『スターウォーズ』にごっそり持ってかれちゃうんだよなぁ。
1975年日本公開映画は、『ドラゴンへの道 』『悪魔のいけにえ』『新幹線大爆破』『ジョーズ』など。

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