18世紀、スペイン植民地下の南米。
ロドリゴ(ロバート・デ・ニーロ)は先住現地人を殺したり、拉致して奴隷として売り払ったりする悪い奴でしたが、自分のものだと思っていた女を弟に取られ逆上、弟を刺し殺してしまいます。
法律上は「決闘」扱いで罪には問われませんでしたが、本人は極限まで落ち込んで、世を捨て、死んだように生きています。
そこへ現れたのがガブリエル神父。
かつては現地人の扱いで対立したふたりでしたが、ガブリエルはこう申し出ます。
「贖罪してみれば?」
というわけでロドリゴの贖罪が始まります。
なんか魚網みたいな、荒縄で編んだような網にあれはなんでしょう、なんだかわからない金属、鎧とか、金だらいとかそんなものかな、と見えましたが、そんなものを入れた荷をガランガラン引引っ張って、滝の上へ岩場を登って行きます。裸足で。
岩場だよ。そこを裸足でだよ。
荷物もたいへんそうだけど裸足だよ。
途中で縄が切れて荷物が落ちてしまいます。
ロドリゴは黙ってそれを拾いに行き、また滝の上を目指します。裸足で。
もう贖罪とかよりガブリエル神父が、敵だったロドリゴに仕返ししているように思えてきます。
でもそうではありませんでした。
滝の上に着いた時、ロドリゴの罪は贖われたのです。現地人たちによって。
ここ感動します。
必死で運んでいた荷物がどうなったか。現地人はロドリゴをどう扱ったか。大事なとこです。
その後ロドリゴは現地へのキリスト教の布教につとめますが世界情勢はこの地を放っておきませんでした。
そしてロドリゴは信念に従って、行動するのです。
前半は荘厳ですが、終盤はアクションもあってある意味お得な映画でした。
『沈黙 サイレンス』でフェレイラ神父を演じたリーアム・ニーソンが宣教師の役で出てますね。そういう人なんでしょうかクワイ=ガン・ジン。
と思って調べたらいろんな映画に出てますねこの人。『特攻野郎Aチーム』とか。『怪物はささやく』の怪物とか『崖の上のポニョ』英語版に声の出演とか。シリアス、超娯楽、アニメ。ジャンル幅広い。日本で言えば竹中直人か香川照之でしょうか。違いましょうか。
というわけでキリスト教の知識はほとんど無い私にも来るところはちゃんと来る映画でした。