子供のころゴジラ映画やアニメを目当てに「東宝チャンピオンまつり」に行くと大人向け映画の予告とかも流れていたのですが、その中に「血を吸うシリーズ」もあって、そういうの本当に見るのが嫌でした。怖くて。
怪獣やまんが目当てで行ってるのになんで血を吸われきゃなんないんだよ。と目をつぶってしのいだものです。
その「血を吸うシリーズ三部作」がAmazonプライムイデオにあったので、大人になった私は、「血を吸うシリーズがなんぼのもんじゃい」と鑑賞に挑戦しました。夏だしね。
雷雨の中、佐川(中村敦夫)が、タクシーで婚約者である野々村夕子の家に向かうシーンから始まります。いきなり不穏です。
婚約者の家は古びた洋館。さらに不穏です。
門で声をかけると不気味な男(源蔵:高品格)が唸り声を上げて佐川に襲いかかってきました。唐突です。
そこに現れた婚約者の母親は源蔵を止め、「娘は車の事故で死にました」佐川に告げます。
信じられない佐川。信じられないのでこの洋館に泊まることにしますが夜中に夕子の声が聴こえたような気がして、夕子の部屋へ行き、ドアの鍵穴から中を覗きます。
大きな鍵穴ですが、中の様子はよくわかりません。
ドアを開ける佐川。
部屋に夕子の姿はありません。
部屋の中を探し回り、クローゼットの扉を開けるとそこに…。
この辺りちょっと理屈じゃないびっくりシーンなので説明しづらいのですが、佐川はこの後窓から見えた夕子を追って夕子の墓にたどり着き、「私を殺して」という夕子と出会うのですが、このシーンが佐川の妹、桂子の悪夢とつながっているので本当に起こったことか判然としません。
そのまま佐川は姿を消して、桂子と彼氏の浩による佐川捜索の話になっていきます。佐川は最後にチラッと出てくるだけです。
ちょっとヒッチコックの『サイコ』みたいだな、と思いましたが、佐川の末路も「サイコチック」でした。
二人の捜索で野々村家の過去が明らかになっていきます。まだ「個人情報」なんて概念が無かった頃で、村人も役所の人もお医者さんも、みんなせっせと野々村家の秘密を教えてくれます。
夕子が生きていて、そこらをうろちょろしては血を求めて人を殺していることも徐々にわかってきます。
やがて野々村家の惨劇の張本人が明らかになり、死んだはずの夕子がうろちょろしている理由も明らかになります。
交通事故で瀕死の重傷を負った夕子に山口医師(宇佐美淳也:ミラーマンの御手洗博士)が最後の手段だと催眠術をかけたのです。
うん。
そう。
催眠術。
だってそう言ってるんだもん御手洗博士が。
どんな催眠術をかけたのかは具体的には語られませんが、「あなたは死んでな〜い」とか言ったのでしょう。交通事故で瀕死の夕子さんに。
病は気からって言いますからね。
怪我だけど。
50年前の映画なので、そのころは催眠術は魔術みたいなものだと思われていたのかもしれません。
衝撃の真実が明らかになった直後に衝撃のシーンが続き、死ぬ人が死んで映画は終わります。
全体に理屈じゃない、お化け屋敷っぽい映画だな、と思いました。
あまり頭を使わずに「そういうもの」と受け入れながら観るとそこそこ楽しめるかな、という映画でした。
ホント。「なぜ?」とか考えちゃダメ。
私の調査によると、映画はヒットして、「血を吸うシリーズ」としてこの後二作が作られ、そのたび怪獣映画を観に行った私を嫌な気持ちにさせる予告編が流されたのでした。
そいつら↓
夏だからでしょうか、Amazonプライムビデオは怪奇作品が増えてるみたいです。
こんなのもあったので観ちゃいました。↓
観たつもりでいたけど観てなかったんだなぁ、きっと。こんな映画観たら忘れないよなぁ。感想は後日。