年忘れ映画劇場2022 『壬生義士伝』を観たら

年末といえばやっぱり時代劇映画ですね。
というわけで浅田次郎原作のこれを鑑賞。

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明治32年の東京市から映画は始まります。
うっすら雪の積もった道を息づかいの荒い男が歩いています。足を引きずって、背中に子供をおぶっているようです。
男は一軒の開業医を訪ねます。かなり年配で、おぶっていたのは具合の悪い孫でした。
翌日に引っ越しを控えた院内は荷物で埋まっていましたが、男はその中の一枚の写真に目を止めました。
その写真の男こそこの映画の主人公吉村貫一郎でした。
そこから男(斎藤一)の回想という形で進行します。

吉村(中井貴一)と斎藤(佐藤浩一)は何から何まで対照的で、唯一の共通点は剣の達人ということなんですが、その共通点が二人をさらに遠ざけてる、そんな感じ。
この二人の関係性以外にも夫婦親子友情と、見どころ要素が多い映画でしたが、この二人のお互いの印象や関係性が変化していくところは見応えがありました。
佐藤浩一はいかにも佐藤浩一でしたが、中井貴一はいかにも中井貴一の上に分厚い皮をかぶって時々その下の中井貴一を見せながらさらに違う誰かもチラチラ見せているような、そんな印象を受けました。

新撰組隊士のお話なので、斬り合いの場面もたくさんあり、
そんなに強調されてはいませんが、血もそこそこ流れたりしぶいたりしてます。ものすごく血に弱い私はほんのちょっと「うぇ」となりました。
このところ、斬っても突いても血が出ない(一部例外あり)「必殺シリーズ」ばかりずっと観ていたので油断してました。
刃物で体を切られるのって痛いんだろうなぁ。こう、刀をザクっと食い込ませてからギュンと引く斬り方。あれ誰が始めたんでしょうね。

鳥羽・伏見の戦いの後「長げーな」と思いながら観ていましたが、観終わってみるとあそこからがなんていうか「浅田次郎節」なんでしょうね。
原作は読んでいませんが、最後にポッと温まるシーンをそっと置くように入れるのが浅田次郎っぽいのかな、と思いました。

吉村貫一郎も斎藤一も実在の人物ですが、大きな歴史の流れ以外は史実に忠実というわけではない “時代劇” のようです。
そのあたりをジャッジするだけの知識は私にはありませんが。
水戸黄門も大岡越前も実在の人物ですしね。遠山の金さんとか。

そういうことはともかく、何気なく録画しましたが、面白かったです。
出演者の豪華さを見ると大事に作られた映画だって気がします。
漫画にも舞台のお芝居にもなっているようですが、表現手段に合わせて膨らませる見どころ要素が各種あって、それぞれの作り手の腕の見せ所だと思います。この映画しか観てない私がいうのもどうかと思いますが。

ただ個人的にたったひとつだけ残念というか後悔したのは、

原作を先に読むべきだった

ってことですね。
観ていて、「ここって文章でどう書いてるんだろう?」とちょいちょい考えてました。

で、
伝七親分はホントにいたんだっけ?いなかったんだっけ?

ではまた次回。よよよいよよいよよいよいよい!

浅田次郎 著 壬生義士伝 上

壬生義士伝 下

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