お正月と言えばやっぱりコメディ映画かカンフー映画ですね。
でもどっちを観たらいいか迷っちゃいます。
そんなあなたにピッタリの映画がこれ。
これならコメディとカンフー、一緒に楽しめます。
『燃えよデブゴン』
デブのドラゴンだからデブゴン。何てストレートなタイトル。
原題は『肥龍過江』。「肥えた龍」。そして英題は「Enter the Fat Dragon」。「太ったドラゴン」。ブルース・リーの『燃えよドラゴン』の英語タイトルが『Enter the Dragon』だから正しい日本語変換タイトルなのでしょう。
田舎で豚の飼育をして暮らしている青年ウォン・ロン(サモ・ハン・キンポー)はブルース・リーの崇拝者。カンフーの動きも完璧にコピーしていて、いつも豚を蹴ったり殴ったりしています。
そんなちょっと危ないウォンでしたが、叔父さんが町で経営する屋台を手伝うことになります。
慣れない町に出て戸惑うウォン。このあたりは『ドラゴンへの道』のブルース・リーを思い出させます。
ウォンがやって来た叔父さんの屋台は、日本でいえば海の家の食堂みたいな作りでした。
ウォンはその店で食い逃げしようとしたチンピラをカンフーの技でやっつけてしまいます。
叔父さんは穏便に済ませたかったようですが、ウォンは大暴れして店もめちゃくちゃになってしまいます。
今までは豚相手だったカンフーの技を人間相手に使えるのが嬉しかったのでしょう。強いし。
映画はずっとこの調子で、ブルース・リーの物まねカンフー以外はまったく取り柄が無い青年ウォン・ロンの失敗が笑いどころの映画です。
ウォンの失敗以外では、悪役にちょっと変態っぽいおっさんが出てきてくどい感じのお笑いシーンがあります。なんていうか念を押すようなギャグシーン。
最後の対決は段ボール箱が天井まで積まれた倉庫が舞台でした。
そのうち段ボール箱がバラバラバラっと全部崩れ落ちるんだろうな、と思って見ていましたがそうはならず、蹴り飛ばされて段ボールの壁にバァンとぶつかっても少し揺れるだけで、むしろショックを吸収するための小道具に見えました。
ブルース・リーのコピーカンフーが映画の見どころではありますが、途中からジャッキー・チェン映画っぽいコミカルなカンフーに変わっていきました。そういう時期だったんでしょう。
私はブルース・リーのシリアスな映画が好きだったので、デブゴンやジャッキー・チェンの映画は別物だと思ってあまり観ていませんでした。テレビで『プロジェクトA』や『酔拳2』を観るまではその面白さにも気づいていませんでした。
それでもやっぱりブルース・リーの映画とは別物だと思いますが。
邦題に「燃えよデブゴン」と入っている映画はたくさんありますが、元々はシリーズではなくて日本で勝手に付けているものがほとんどみたいです。
Amazonで「燃えよデブゴン」を検索するとこんな感じです →Amazon燃えよデブゴン検索
「サモ・ハン・キンポー」=「デブゴン」てことでいいじゃんか、という感じでしょうか。
今回試聴した一作目の『燃えよデブゴン』のソフトや配信は見つけられませんでしたが、デブゴンシリーズ(?)の中ではこれが気になりました↓
ふざけた邦題ですが「デブゴンファン」たちのレビューはなかなか好評のようで心が温まりました。