映画『猿の惑星/キングダム』“Kingdom of the Planet of the Apes”を観たら

勝手に三部作だと思ってた「猿の惑星リブートシリーズ」。まさかの4作目がやって来ましたので鑑賞。そんなに猿が好きか世界も俺も。
原題は“Kingdom of the Planet of the Apes”。オブザって2回言ってます。直訳すると「猿の惑星の王国」。「の」がふたつ入ってます。「風の谷のナウシカ」システム。
あ、2個目のof the は「オブジ」か。どうでもいいか。

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映画は一匹の猿が火葬される場面から始まります。
シーザーの葬儀です。
多くの猿が花を手向けます。
葬式の始まりです。
猿類のために身を捧げたシーザーは神格化され、猿たちは皆、頭の上で両拳を合わせ、シーザーの教えを守ることを誓います。
宗教の始まりです。

そして数世代後。
主人公猿ノアは鷲を飼い慣らして狩りに使うイーグル族の一員です。
イーグル族には鷲遣いになるための儀式があって、そのために鷲の卵を採ってこなくてはなりません。
仲良し三猿組で鷲の卵を採りに行きますが、親ワシに襲われたり滑って転んだり猿も木から落ちたりで大変です。

映画内でははっきり示されませんが、シーザーの時代(『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』)から300年後という設定だそうです。
この時代の猿は村の儀式があったり、貯蔵食料(魚の燻製)を作っていたりとなかなか進歩しているようです。
それに引き換え人類は退歩して野生化してます。
子供の頃『猿の惑星』第1作をテレビで観ましたが、私が一番ショックを受けたのは、ラストの自由の女神ではなく人間が猿に狩られるシーンでした。怖かったあそこ。
この『キングダム』でも野生化した人間が猿に狩り立てられるシーンがありますが、割とあっさりしていてあまり怖くありませんでした。

で、人類全てが野生化したわけではないということがだんだんわかってきて、「人類にはまだ希望があるんだよ」という展開になっていきます。
一作目の絶望感が好きな私は「なんか甘い話だなぁ」と思いましたが、現実の世界で核戦争や世界大戦が起こりかねないこのご時世に絶望だけで終わる映画なんか作れないかなぁ、とも思いました。

最後は、価値観を違えた猿と人類が背を向けて逆方向に歩み去るシーンで終わります。どちらの価値観を支持するか観客に問うているように感じました。
ノアと行動を共にする人間女性のキャラがブレてるように思えましたが、このラストのために捻じ曲げたんじゃないかと勘ぐっちゃいました。
まぁ、猿が喋ったり殴り合ったり馬に乗ったり木から落ちたりしてるだけで面白いからいいんですけど。
猿って面白いですよね?
え?
そんなでもない?
そうですか。

blinkpanda
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