思い出だけが旅の友さ。「月刊スターログ日本版」を懐かしむ後ろ向きコーナー第17弾は前回のつづき、1985年2月号の後編でよろしかったでしょうか。

月刊スターログ日本版NO.76:1985年2月号 特別定価750円(後編)

通常版より70円お高い値段設定のNO.76。内容も盛りだくさんでコーナー初の2部構成。前編はこちら→オトーは月刊スターログと #16: 1985年2月号(前編)

そのころ『2001年』は『2010年』だった

今ではスタンリー・キューブリックと表記するのが定着している “Stanley Kubrick” ですが、「クーブリック」表記の方が原音の発音に近いとか、そもそも日本語表記はクーブリックだっただろというこだわりが語られることもある“Kubrick” 。この号では「クーブリック」表記になっています。ので今回はクーブリックでいきます。
そのクーブリック監督の『2001年宇宙の旅』“2001:A Space Odyssey” の続編『2010年』“2010”の公開直前特集です。
『2001年宇宙の旅』で、ディスカバリー号を木星に送る計画の中心人物だったフロイド博士をロイ・シャイダーが演じて、木星まで行ってディスカバリー号とコンピューターHALを再起動させます。
前回のHALの反乱は知られていて、再起動させても大丈夫なのか?というあたりも物語の引きとなっています。
私は劇場と、その後のテレビ放送を観ましたが、どちらもずいぶん前で、ざっくりとした記憶しか残っていません。
続編とはいえ、『2001年宇宙の旅』とは作り方が全然違う映画ですが、ディスカバリー号の外観とか、内部が再現されているシーンには「おーっ」と思ったのは覚えています。この特集を読んでいたら観たくなっちゃいました。
特集の後半は『2001年宇宙の旅』のおさらいコーナー。
4ページにわたって、スチール写真と文章でストーリーが紹介されています。中に冷凍睡眠中の “KAMINSKY V.F.”という人の写真があり、ふと思ったのですが、SF映画で冷凍睡眠中の事故で死んじゃう率けっこう高くないですか?
『猿の惑星』とか『エイリアン3』とかいきなり死んでる。あ、あと『さよならジュピター』でも死んじゃいますね。
『エイリアン』の一作目ではみな無事に冷凍睡眠から起きますが、そのあとバタバタ死んでいきますね。バタバタ。
コールドスリープは死の匂いですな。

2010年

そのころデヴィッド・リンチは本を読まずに魚の解体をしていた

映画『デューン / 砂の惑星』“DUNE” 公開を控えたデヴィッド・リンチ “David Keith Lynch” 監督のインタビュー記事です。
リンチの長編映画第1作が『イレイザーヘッド』“Eraserhead”。2作目が『エレファントマン』“The Elephant Man ” 。そして『デューン / 砂の惑星』。なんだこの流れ。
ちなみに4作目が『ブルーベルベット』“Blue Velvet ”で、そのあとてテレビシリーズの『ツイン・ピークス』“Twin Peaks” へと続きます。並べると『デューン / 砂の惑星』だけ異質に見えます。
製作総指揮がディーノ・デ・ラウレンティス “Dino De Laurentiis”。そのスジのプロデュース作品としては、『バーバレラ』『キングコング(1976年)』『オルカ』『フラッシュ・ゴードン』『コナン・ザ・グレート』『炎の少女チャーリー』などがあります。なんでしょう。何かの匂いがしますね。
リンチはその作品から、自分の意見を通す変人みたいな印象を持っていましたが、インタビューはまともで、スタッフとはいい関係で仕事ができたとか、ディーノと、プロデューサーでもあるその娘のラファエラを褒めたりしてます。
インタビューが、『コナン・ザ・グレート』製作時にディーノと監督のジョン・ミリアスがうまくいかなかった話に及んだ時も、「(意見が対立しても)正面切ってケンカするんじゃなく、裏から懐柔すれば絶対こっちが勝つ」なんて言ってます。大人だ。
意外とまともな大人だとわかるインタビューだが最後にちょっぴりかましてくれてます。
この映画の話があってから原作を読んだというリンチへの質問。

SFはよく読まれるんですか?

「いいえ。私はSF人間ではまったくありません」

普段はどういうものを読まれているのですか


「本は読みません(笑)」

本当ですか?そうすると普段は何を?

「魚の解体を好んでやっています(笑)」


ひょっとしたら冗談かな?とも思いますが、私にはわかりません。
『デューン / 砂の惑星』劇場公開時は、いい意味でなんだこりゃと驚くシーンと、悪い意味でなんだこりゃと感じるシーンとあって、全体としてはあまり面白いと思えませんでした。
最近また観たのですが、ハルコネン家のやつらとかギルドナビゲーターとかの描写のようにすごく凝ってこだわりの感じられるシーンと、ホントに投げやりに見えるシーンがごっちゃで落ち着いて観ていられません。特にひどかったのがクライマックスに現れる皇帝の艦隊が惑星アラキスを取り囲んでるシーン。大艦隊なのですが、なんかカラーコピーを切り抜いて貼り付けたようなひどい絵になってました。どーやるとあんなひどい絵になっちゃうんだろ。あと、異様に眉毛が濃いおっさん(ボサボサしてる)も気になってしまいました。
見返して初めて気づきましたが、スタートレックのピカード艦長、パトリック・スチュワートがガーニー・ハレック役で出てました。ピカード艦長になるのはこの映画の数年後ですが、外見はもうピカード艦長でした。

 

 デューン / 砂の惑星

そのころワンフェスは第1回だった

あまり広告がないスターログ誌ですが、この号には「第一回日本ガレージキットフェア WONDER FESTIVAL’85」の広告が掲載されてました。
これです。


「スターログ」も協賛に名を連ねていますので、純粋な広告というのとは違うかもしれませんが。
開催は、1985年1月13日(日)、場所は東京都立産業貿易センター、入場料は200円となっております。

そのころ映像の所有は大変だった

この月発売のビデオソフトの情報が載っていました。
目についた作品とそのお値段を

狼の紋章 ¥12,800
地震列島 ¥14,800
マニトウ ¥15,800
エレファントマン ¥18,800
スーパーマンⅢ電子の要塞 ¥18,800
去年マリエンバードで ¥17,800
ウルトラセブン(3) ¥13,800
 *収録時間100分とあるので、4話収録だと思われます。
ウルトラマン(8)悪魔はふたたび ¥6,500
 *こちらは収録時間25分。1話しか入ってません

レーザーディスクも紹介されています。

スーパーガール ¥11,800
ダーククリスタル ¥7,800
グリズリー ¥7,800

ビデオテープに比べると半額前後。
現代の感覚だとこれでもかなり高価ですが、たくさん映像を手元に置いておきたい人はこちらを選ぶでしょうね。私はこの価格帯の時はまったく手が出ませんでしたね。そもそもプレイヤーも持ってなかったし。

そのころベスト10はこんなノミネートだった。

この号では84年に公開されたSF映画やらSFテレビやらからベスト10を選ぶ「スターログ・ベスト10」が募集されています。
部門は「SF映画部門」「監督部門」「ヒーロー部門」「ヒロイン部門」「音楽部門」「SFX部門」「TV部門」です。
「SF映画部門」のところだけですが画像を載せますので、拡大して見て懐かしんだりしてみてください。知ってる作品、知らない作品、忘れてた作品が並んでます。

といったところで「オトーは月刊スターログと」#17はこの辺でおしまいです。また来週(たぶん)お会いしましょう!ごきげんよう!さようなら!