約1分間の空白の謎が肝。映画『フィッシュストーリー』を観たら

東京MXの『キネマ麹町』で放送したものを鑑賞。
『キネマ麹町』はなんか聞いたことのない面白い映画を放送するので時々チェックします。ちょいちょい忘れます(私が知らないだけで世間では有名な映画かもしれませんが)。
この映画も私は存在を知りませんでした。

『フィッシュストーリー』

監督 中村義洋
主演 伊藤淳史, 高良健吾, 多部未華子

彗星衝突による地球滅亡まであと5時間。万策尽き果てたかと思いきや、日本のパンクバンド「逆鱗」がかつて録音した「FISH STORY」という曲が巡り巡って地球を救う、という映画です。
この辺りは番組情報で公開されているのですが、これを読んだだけでホラ話とわかります。
で、やっぱりホラ話でした。
もう少し言うと「コメディ人情ホラ話」でしょうか。


2009年公開なので10年前の映画。10年前というと私の心と生活が最も荒んでいたあの頃ですね。嘘です。
伊坂幸太郎の原作は未読。というか伊坂幸太郎はひとつも読んだことありませんが。

「人類滅亡」とか言ってますが、どちらかといえば小品でしょうか。私でも名前が言えるくらい有名な人がたくさん出ていますが。あと時代を行ったり来たりするから車やら小道具やらは手がかかってるのかな。

若者の会話などは邦画にありがちな冗長さでぬっとりしてますが、そのぬっとりも後半の、いわゆる「伏線回収」の展開を生かしているのかもしれません。

「逆鱗」の「FISH STORY」には間奏に1分くらいの無音の空白があって、いろいろ噂があったりするのですが、その謎も後半で明らかになります。
この空白の真相こそがこの映画の「きも」であり、「じょう」だったと思います。
各時代のエピソードがこの空白の「情」で繋がってホラ話になっていきます。
最初に書いた番組情報以外何も知らずに観ましたが、面白かったです。こういう映画好き。多部未華子面白いなぁ。

映画の良し悪しってどこで決まるのかなぁ、と時々考えることがあります。
ひとしきり考えて結論は出ないまま「明日会社行くのやだなぁ」とか考え始めてしまいますが。

そうだ、あと、この物語が文章だとどうなっているのか気になるので原作も読むことにします。

フィッシュストーリー (新潮文庫)

blinkpanda

コメント

  1. […] 映画版の感想をアップしたばかりですが(こちら →約1分間の空白の謎が肝。映画『フィッシュストーリー』を観たら)、そこで書いたように「この物語を文章でどう書いたんだろう? […]

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