OK牧場の決闘で有名な実在の人物、ワイアット・アープの生涯を描いた映画。少年時代から初老までなので50年くらいの期間になるのかな?
何よりも家族の(血の)絆を重んじる弁護士の父親に育てられたワイアット少年。兄たちのように南北戦争に兵士として従軍したくて家出しますがすぐ父親に見つかって家まで連れ戻されたりしてます。
銃を撃ちたくてしょうがなかったけど戦争には行けなかったワイアットは成長し、やがて結婚します。
しかし幸せな日々は長くは続かず、妻が病死。
自暴自棄になったワイアットは自宅に火を放ち、故郷を後にします。
住む家もなく酒浸りの生活。金が尽きると強盗やら馬泥棒やらを犯したあげく捕まってしまいます。
当時の法律では馬泥棒は縛り首と決まっていました。
そうです。ワイアットは死にたかったのです。
ところがそこへ父親が現れて保釈金を払ってワイアットを牢屋から出し、「このままこの土地を出て二度と戻ってくるな」と逃してしまいます。
お父さん、大丈夫なんでしょうか、こんなことしちゃって。
三時間以上ある長い映画なのですが、前半けっこう駆け足で展開早いです。あっという間に落ちぶれてあっという間に立ち直ります。
最初にも書きましたが、ワイアット・アープというと「OK牧場で決闘して悪い奴をやっつけた保安官」くらいの知識しかありませんでしたが、いろいろやってたみたいですこの人。
バッファローの毛皮獲りとか賭博場や売春宿の経営とか。その合間に断続的にあちこちで保安官やって決闘もやってたみたいです。観ていて「今こいつどういう立場なんだ?」と時々わからなくなりました。
それと、勝手に「正義の保安官」像を抱いていましたが、けっこうなゲスでした。
結婚はしていなかったけど長年妻のように連れ添っていた女性を捨てて若い女とデキちゃいます。捨てられた方は自殺を計ったりしますが、ワイアットは若い女との関係を続けます。
その後も「私を捨てたら死んでやる」とまで言われますが、ワイアットは若い女を連れて去ってしまいます(後に若い女と結婚)。
保安官としての行動の動機も、正義感とか人を助けたいとかではなく、力を行使したいとか私利私欲とか復讐心とかなので、アクションシーンとかあってもどうもスカッとしません。
リアルといえばリアルなんでしょう。銃撃戦の負傷者が苦しみながら運ばれるシーンとかいちいち出てきますから。痛そうなんだこれが。
劇映画なのでガチガチに実話に沿う必要はないけどまるっきり違うようにもできないというところとの綱引きだとは思いますが、私にはちょっと見所の掴みにくい映画でした。
私の理解力の問題かもしれませんが、もう少しエピソードを整理して、わかりやすいクライマックスへ導いてくれたらよかったな、というのが正直な感想です。
(と、もっともらしいこと書いてますが、この映画に集中できなかった本当の理由はこちら →日々棒組み836 記憶はどこにあるのだろう)