話も暗けりゃ画面も暗い。映画『THE BATMAN-ザ・バットマン- 』を観たら

そんなにバットマン好きというわけでもないのですが、ドラマ『ゴッサム』をゆるゆる観ていることもあって、「ブルース・ウェインがバットマンになって間もないころのお話」というところに興味があり鑑賞しました。

Netflix『THE BATMAN-ザ・バットマン- 』

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THE BATMAN-ザ・バットマン- 冒頭10分映像(無料)

ブルース・ウェインがバットマンになって2年が過ぎた頃のお話だそうです。
なので、バットマンのことを「知ってる人は知ってるけど知らない人もそこそこいる」ような状態で、知っている人も正義のヒーローというよりはコスプレで何かしてる胡散臭いやつ、と思っている人が多いようです。
事件現場に入るのを警官に止められたり、「あいつ証拠品に触ってるぞ」とか言われてます。
バットマンの理解者はゴードンだけです。ゴードンがバットマンを事件現場に呼び入れたのですが、ゴードンより偉い人が来るとバットマンは追い出されてしまいます。
マントをゆらゆらさせて現場を去るバットマンはなんかみじめな感じです。

そりゃ2年くらいのバットマン活動で警察や市民の信頼を得るのは不可能だと思いますが、彼の中には悪に対する復讐心や恐怖があって、その精神的危うさを人々は感じているようです。というか映画を観ている観客に「なんかこいつ危なっかしいぞ」と思わせるように作っている気がします。
この映画のブルースはなんかもう体も心も具合悪そうです。
バットマンのマスクを脱ぐと目の周りを黒く塗っているのがわかりますが、色白なこともあって病人にしか見えません。声も小さいし。

ブルースがそんな風貌なこともあって、サイコサスペンス映画にしか見えません。
特に前半は殺人犯からの暗号に導かれた地味な捜査活動が主で、マントにマスクの男ってすごく場違い。
暗い画面が多くて何やってんのかよくわかんないなぁと思いながら観ていましたが、バットマンの場違い感を緩和するためだったのかもしれません。
後半はアクション的な場面も多くなり、最後は厳かな感じになってゆき、それまでの暗さに耐えていたのが報われるような気持ちになります。「なんかこいつ危なっかしいぞ」が浄化されて、ヒーローとして認める気持ちになります。
ただ事件の真相はものすごく闇が深いです。ゴッサム市には住みたくないです。

あまりに暗くて、バットマンが異物のように描かれているため、「こりゃ孤高の一本ものだな」と思って観ていましたが、そもそも3部作前提で製作されているそうです。観終わってから知りました。

まぁラストであれとあれがあそこで出会ったようなシーンが有りましたから気にはなります。ウェイン家とアーカム家にもまだまだ深い闇がありそうだし。

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