その昔、マジンガーZと共演したことのあるデビルマン。今度はサイボーグ009と共演です。マジンガーは同じ作者の、言ってみれば気心の知れた相手でしたが、今回は師匠筋のキャラクターとの共演ということで不安をはらみつつの鑑賞開始。
ACT.1から3までの三部構成です。
いきなりサイボーグ009たちの戦闘シーンから始まります。お、これは、あれだあれ、原作の「あとは勇気だけだ編」じゃないか(正式には「ミュートスサイボーグ編」ですが思い出せなかった)。と思っていたら不動明パート。公園の闇にさっちゃんの顔が浮かび上がります。おお、これは漫画版の「亀の甲羅に死人の顔がたくさん編」じゃないか。
009とデビルマンのお馴染みエピソードのクライマックスシーンでいきなり盛り上げます。なんでしょうこのサビ頭っぷり。漫画のファンはいきなり引き込まれます。
特に漫画ファンではなかった妻も「あとは勇気だけだ」には「カッコいい」と言ってましたからこの導入は大成功でしょう。
そのあと主題歌に乗せて見たことあるシーンや見たことないシーンが流れます。見たことない方はこれから始まる物語のものですね。
『サイボーグ009』はアニメ版がたくさんあってキャラクターデザインも様々ですが、今回のは中庸というか無難にまとめたような印象でした。デビルマンは漫画版の体格を大人っぽくしてアニメ版の色を塗ったような、獰猛で怖いデザインでした。
不動明や牧村美樹は漫画のデザインに近いと思いましたが、飛鳥了はちょっと違和感ありました。あんな眠そうな顔だっけ?
というわけで00サイボーグ、ブラックゴースト、デビルマン、デーモン入り乱れての戦いが始まります。
重要な美少女キャラが牧村美樹の学校に転校してきますが、名前がエバ・マリア・パラレス。
エバ・マリア。ひとりゴールデンハーフか?こじつけすぎか?
009とデビルマンの戦闘シーンもありますが、共通のラスボスが現れて共闘することになります。まぁそうなりますよね。
今回の事件が終了して、サイボーグたちとデビルマンはそれぞれ元の世界(っていうか元の生活っていうか)に戻るわけですが、そこでそれぞれの漫画のどのあたりかわかるシーンが挟み込まれます。
なるほど原作漫画のエピソードの狭間の出来事だったんだよってことですね。
漫画読者は「これから009たちはあんなことになってデビルマンは衝撃の真実を思い知らされるんだな」と感慨に耽ることになります。手元に漫画があれば読み始める人もいるかも知れません。
エンディング映像は漫画のページを使っていて、デビルマンはほぼ見覚えのある絵が出てきますが、009はわからない絵が多いですね。そもそも全部読んでるわけじゃないし。
安易に人気者を掛け合わせたようなものではなく、漫画版のファンがちゃんと楽しめるようになっているいいアニメでした。
この際デビルマンにはコラボ企画専門キャラになってもらったらどうでしょう?
『デビルマンVSイナズマン』なんか似たもの対決。
『デビルマンVSゲゲゲの鬼太郎』これも似たもの対決。
『デビルマンVSカラス神父』ガチンコ悪魔祓い対決。
爺さんしばらく楽しめそうだと思いますが。