「昭和百年」について書いてたら( →日々棒組み972 迫る!昭和100年問題(って本当なの?と疑いつつ)何が起きるの?)アマプラで配信されているこの映画が観たくなってしまいました。
ガメラ以前の大映で、製作中止となった『大群獣ネズラ』という映画があることは知っていました。何枚かの写真を見たことはありましたがそれだけでした。観られなくて残念という気持ちもあまりありませんでした。
「ま、いいか。作られてないんだし、どうせネズミだし」という感じでした。
この『ネズラ1964』も配信されていることは知っていましたが、鑑賞には至っていませんでした。
「どうせネズミだし」
(そんなこと言ったら『マタンゴ』は「どうせキノコ」、『モスラ』は「どうせ芋虫その後どうせ蛾」、『ガメラ』は「どうせ亀」になっちゃうけどさ)
だったのですが。
日曜の朝にゆっくり起きてぼんやり「昭和百年」について考えつつ、朝飯食いながらなんか観ようと選んでいたら目に入ったので鑑賞することにしました。1時間くらいの短い映画なのでまぁその時の気分に合っていたわけですよ。
内容は『大群獣ネズラ』製作決定から中止、撮影に使ったネズミの殺処分(焼き殺した)までのお話。ドキュメンタリーではなく、実話を元にしたコメディといったところでしょうか。大筋は事実に基づいている感じなので「コメディ」と言い切ってしまうことには抵抗ある人もいるかもしれませんが。
見るからに低予算感が漂っていますが、ミニチュアや着ぐるみ、本物のネズミも出てきてなかなか楽しめました。ツノやら牙やら背びれやら、これでもかってくらいトゲトゲだらけのデカいネズラも出てきます、マンモスネズラっていうんですね、あれ。
マンモスコング、マンモス団地、マンモス西。デカいもんはみなマンモス。そんな時代がありました。
後半、『宇宙怪獣ガメラ』に出演していたマッハ文朱が出てきますが、いつものようにセリフも動きもキビキビしていて「ああ、マッハだぁ、変わらぬマッハだぁ」と見とれてしまいました。いつものようにシャツの襟もキビッと立ってました。
製作中止という結末なので寂しく終わるかなと思ったら最後は社長(螢雪次朗)が次の怪獣のアイデアを掴むシーンで締められました。その新怪獣というのがガメラだとわかるので怪獣ファンはホッとする、そんな作りになっておりました。
コメディと書きましたが、『大群獣ネズラ』製作中止の無念を(そして殺処分されたネズミたちを)弔う、そんな愛情も感じられました。
あと音楽も良かったですよ。怪獣映画音楽のムードを漂わせながらどこか力が抜ける感じで。
何よりぼんやりなにも考えずに観るのにぴったりでした。短いし。
ネズミがたくさん出てきますが、ペット的に可愛いビジュアルのネズミばかりで、食事時でも大丈夫でしたよ。
あ、そうそう、アマプラではマッハ文朱の歌の後そのままにしてると次の映画(『シン・オクトパス』とか)が始まっちゃうけどエンドロールの後にもう一曲、串田アキラの歌が流れるので、ぼーっとしてないでエンドロールを見る操作をしてください。ぼーっとしてないでさ。
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