そんなに宮本武蔵ばっかりいいよ。
っていいながら観ちゃうのね。
今回は1962年公開版。宮本武蔵役は中村錦之助、監督は内田吐夢。そして沢庵役に三國連太郎。
1954年の三船敏郎版では又八だった三國連太郎。8年で沢庵役に。出世したっつーかなんつーか。映画『釣りバカ日誌』でハマちゃんだった西田敏行がテレビドラマ『釣りバカ日誌』でスーさんになるのにさも似たりだ。
と、タイムリーな話題も織り込んで、と。
三船版は三部作を一年ごとに公開しているので、三船版が完結したのが1956年。6年後にまた宮本武蔵映画がスタートしたことになる。
最近はアメコミヒーロー映画があっという間に何回転もしている印象があるが、宮本武蔵もくるくる何回転もしていたみたいだ。
関ヶ原の戦いが終わったところから始まって、ほとんど原作通りに進んで行く。
あんまり原作通りにじっくり進むので気になって調べたら5部作だそうです。そりゃじっくりできるわ。
そのせいか三船敏郎版でも高橋英樹版でも出てこなかった武蔵の姉も出てくる。でも出しちゃってどうすんだろ。原作では途中で存在が消えちゃうんだけど。
武蔵(たけぞう)が暴れるシーンの音楽が怪獣映画みたいだなと思って聴いてたら、音楽は伊福部昭先生でした。
この5部作の一作目は、武蔵の野獣期のお話なので、伊福部ミュージックがよく似合う。
武蔵が千年杉に吊るされる場面も伊福部音楽にのせて迫力満点。これ本当に吊るし上げてるよね。すごい。
というわけで5部作の一作目は、武蔵がまだ新免武蔵(しんめんたけぞう)のまま幽閉されて、祖先たちの霊と対話し、人間として再生しつつあるところでおしまい。
お通は橋のたもとで武蔵を待ち続け、お杉ばばぁは復讐を誓って旅立ち、沢庵はなんでもお見通しみたいなことを言って、続編への引きもばっちりでした。
今回東映チャンネルの無料放送で観ましたが、続編放送のお知らせもなかったので今回はこの一作だけ放送だったのでしょう。
私に続編を観る日はやってくるのでしょうか?
*今までに見た宮本武蔵映画の感想はこちら→高橋英樹版 映画『宮本武蔵』を観たよ
→三船敏郎版『宮本武蔵』を観たよ
→映画『続 宮本武蔵 一乗寺の決斗』を観たよ
→映画『宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島』を観たよ
*原作の感想はこちら→吉川英治『宮本武蔵』を読んだよ(読了)
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