長いけど幸せに面白いSF小説。ダン・シモンズ『エンディミオン』を読んだら

『ハイペリオン』『ハイペリオンの没落』に続くあの宇宙の物語『エンディミオン』を読み終わりました。
長いんですが、『ハイペリオン』で緻密に描かれた宇宙を舞台にした冒険譚なのでまったく退屈しません。

エンディミオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

“救世主”もしくは “究極の破壊者” とされる12歳の少女を巡って、「捕らえたい派」「殺したい派」「逃したい派」が大乱戦、みたいな話です。
「捕らえたい派」は「生かして連れ帰れ」という命令のため、少女を取り逃したりします。
「殺したい派」は冷酷非情な究極の戦士を追手として放ちます。
逃げる少女たち(若い男ひとり、アンドロイドひとり同行の計3人)は、少女だけが起動できる「転移ゲート」を使って光年レベルで距離のある星を移動しますが、「捕らえたい派」は超高速の宇宙船で後を追ったり先回りしたりします。
この超高速の宇宙船がもうほんとに嫌な仕様で、超高速航行するたび乗っている人はみんな死んじゃいます。超光速に移行するときの高加速のGでバラバラになっちゃうんです。
で、目的地に着いてから復活槽で生き返るのですが、死ぬ時も復活する時もすごい苦痛らしいです。やだやだ。
そもそもなんで生き返るかっていうところはこの物語世界の根幹で、簡単に説明できるものではないので、『ハイペリオン』と『ハイペリオンの没落』をお読みください。長いけど。

ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

それじゃあ「転移ゲート」を使える少女たちは楽に逃げてるかっていうとそうでもなく、ゲートから出たら海で漂流状態になったり、出くわした軍隊と戦闘になったり、氷に覆われた川で凍死しかけたりと何度か死にかけながらの逃亡です。
移動が楽なのは「殺したい派」の戦士。なんでしょうこいつ?改造人間かな?

『ハイペリオン』と『ハイペリオンの没落』に出てきた究極戦闘マシーン(?)シュライクも出てきて謎の行動をとります。
アクションのクライマックスはシュライクと「殺したい派」戦士の対決。
いやー凄かったです。
読んでて電車乗り越しちゃいました。

というわけで長い上下巻読み終わりました。
でも話が全然終わってません。
物語は『エンディミオンの覚醒』に続きます。
ダン・シモンズ地獄。
ちょっと別の本読んでからあの宇宙に戻ろっと。

エンディミオンの覚醒〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

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